投資信託協会が定める「商品分類」
投資信託は、商品によって投資対象がさまざまですので、投資家に投資信託の投資対象などを簡潔に理解いただくため、投資信託協会では統一的な投資信託の分類方法である、「商品分類」を制定しています。
この商品分類では、投資信託がどの資産に対して主に投資し、収益の源泉とするのかが分かりやすく分類されていて、投資信託の説明書である目論見書の表紙などに記載されていますので、投資信託を選ぶ際に活用していただけます。
投資信託協会が制定した投資信託の商品分類は、以下のような区分によって投資信託を分類します。
追加購入が可能か
単位型・・・投資信託が立ち上がる期間(当初募集期間)にのみ購入できるもの
追加型・・・原則的に、投資信託が運用されている期間中いつでも購入できるもの
投資対象地域による区分
国内・・・主たる投資収益が、実質的に国内の資産を源泉とするもの
海外・・・主たる投資収益が、実質的に海外の資産を源泉とするもの
内外・・・主たる投資収益が、実質的に国内及び海外の資産を源泉とするもの
投資対象資産による区分
株式・・・主たる投資収益が、実質的に株式を源泉とするもの
債券・・・主たる投資収益が、実質的に債券を源泉とするもの
不動産投信(リート)・・・主たる投資収益が、実質的に不動産投資信託及び不動産投資法人を源泉とするもの
その他資産・・・主たる投資収益が、実質的に上記以外の資産を源泉とするもの
資産複合・・・主たる投資収益が、実質的に上記の複数の資産を源泉とするもの
独立した区分
MMF・・・マネー・マネージメント・ファンド
MRF・・・マネー・リザーブ・ファンド
ETF・・・ある指標に連動し、証券取引所に上場しているもの
補足
インデックス型・・・各種指数に連動する運用成果を目指すもの
特殊型・・・投資者に対して注意を喚起することが必要な、特殊な仕組み・運用手法を用いるもの
* 「独立した区分」と「補足」は、それぞれに当てはまる場合にのみ表示します。
これらの分類の項目を表にしたものが、次の表です。
投資信託は、区分ごとに分類され、その区分ごとの分類を組み合わせることによって、商品分類が示されます。
ここで、例となる投資信託をこの商品分類で分類してみましょう。
追加型で主に国内株式に投資する投資信託は・・・「追加型/国内/株式」
追加型で主に海外債券に投資する投資信託は・・・「追加型/海外/債券」
追加型で主に国内株式に投資し、日経平均株価に連動する運用成果を目指す投資信託は・・・
「追加型投信/国内/株式/インデックス型」
単位型で日経平均の水準が一定範囲に収まれば、元本が確保される仕組みの投資信託は・・・
「単位型/国内/株式/特殊型(条件付運用型)」
あくまでも一例ですが、このように分類されます。
独立区分の「MMF」「MRF」「ETF」って何だろう
上記の分類の独立区分には、「MMF」「MRF」「ETF」がありますが、これはどのような投資信託を指しているのでしょうか。
MMF
マネー・マネージメント・ファンドの略で、毎日決算を行い、国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する、公社債投資信託のひとつです。購入・換金は1円以上1円単位で行います。 なお、一般的にMMFは、買付から30日未満までに換金すると、1万口につき10円の信託財産留保額がかかります。
MRF
マネー・リザーブ・ファンドの略で、毎日決算を行い、安全性の高い国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用する、公社債投資信託です。MRFは証券総合口座において、資金をいったんプールするための商品としても用いられており、受益者数も多い商品です。購入・換金は1円以上1円単位で行います。
ETF
上場投資信託(Exchange Traded Funds = ETF)といい、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの指標に連動するように運用され、証券取引所に上場されている投資信託です。
- ETFについては「ETFってなんだろう?」をご覧ください。
投資信託協会が定める投資信託の「属性区分」
協会が定める、商品分類に関する指針には、さらなる詳細な投資信託の属性を示す、「属性区分」も定められています。
その属性区分は以下の表のように区分されます。
上記の表をご覧いただければ、属性区分は、かなり詳細な区分がされていることがお分かりになるかと思います。
「投資対象資産」「投資対象地域」「対象インデックス」では、どのような資産に対して投資を行うのかの詳細が示され、「投資形態」や「為替ヘッジ」、「特殊型」ではどのような方法を用いて運用を行うのかが示されています。また、決算頻度も示されていて、実質的に分配金の間隔もわかるようになっています。
「商品分類表」と「属性区分表」は、投資信託が該当する区分に網掛けをした上で、投資信託説明書に記載されおり、投資信託がどのような分類なのか、どのような属性を持っているのかが一覧できます。
投資形態の「ファミリーファンド」「ファンドオブファンズ」ってなんだろう
上記の属性区分表に、投資形態として「ファミリーファンド」と「ファンドオブファンズ」が記載されていますが、これはどのようなことを指しているのでしょうか。
ファミリーファンドとは
複数の投資信託の資金をまとめて、「マザーファンド(親投資信託)」と呼ばれる投資信託に投資し、マザーファンドが株や債券などの資産に投資する運用方式のことです。
一般の投資家は「ベビーファンド」と呼ばれるファンドを購入し、ベビーファンドがマザーファンドに対して投資を行います。
ファンドオブファンズとは
投資信託や投資法人に投資する投資信託のことです。投資信託を組み合わせることで、より分散を図った運用を目指します。