本会の活動に対する皆さまのご理解とご支援に改めて感謝申し上げます。
昨年は、依然として、コロナ禍で人と接触することが制限される中、人と繋がることの大切さや、ウクライナ紛争が起こったことで、改めて平和の尊さに想いを馳せ、明るい未来を取り戻そうと模索する1年でした。今年こそは人々の意識が”模索“から未来への”期待“に向い、皆さまにとって飛躍の1年となることを祈念いたします。
そんな中、年末にかけ「資産所得倍増プラン」が公表され、日本経済の成長と資産形成促進の機運が一気に高まることとなりました。ここ数年、積立投資による資産形成を始める動きが各世代で広がりつつあります。また、昨年からは高校で金融教育が積極化されるなど、投資や資産形成をより身近なものとする取り組みが進められています。もちろん、それ自体大変喜ばしいことですが、より多くの人々が資産形成を長期で続けて行くには「投資は社会の役に立ち、巡り巡ってリターンとして自分に返って来るもの」という投資の本質を理解した「オトナの投資」の考え方が社会に根付くことが重要になると考えています。
ここで言う「オトナの投資」では、“投資は社会への参画”と考えます。気候変動問題だけでなく、生物や自然、そして、そこに暮らす“人”を大切にする社会を「自分の投資で創ってゆく」と考えるということです。
ひとり一人の投資は少額かもしれませんが、それが集まって多額の資金となれば、社会や企業に対し、影響力を持つことになります。それによって、企業にイノベーションを促し、世界の企業や経済の持続的成長をもたらします。この「オトナの投資」を実践することが、多くの人々が自信と期待をもって投資を続けることに繋がり、結果として長期での資産形成も進みます。そのためにも、金融教育支援活動がさらに重要になります。本会としても、高校生や大学生に向けた発信はもちろんのこと、社会人となった後の職場においても、投資や資産形成の知識だけではなく、投資の本質を丁寧に伝えてゆきたいと思います。
資産運用業界が公表した「資産運用業宣言2020」では、「皆さまの安定的な資産形成に向けて最善を尽くすと共に、そのための投資活動を通じて社会課題の解決を図り、皆さまの豊かな暮らしと持続可能な社会の実現に貢献することです」との「社会的使命」を掲げました。本会としても、この宣言に込めた想いをあらためて皆さまと共有し、まだまだ多数を占める投資未経験の一般生活者の方々のお金と世界の成長を「オトナの投資」で“繋ぐ”取り組みを推進し、「資産所得倍増プラン」の実効性をより高めることに貢献して参ります。一層の資産形成の普及・促進と輝かしい未来の実現に向け、引き続き全力を尽くして参ります。今年も変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
令和5年1月1日
一般社団法人 投資信託協会
会長 松谷 博司