資産運用会社の社会的使命は、資産運用業宣言2020で掲げているように、高い専門性と創造性をもって最良の運用成果を追求し、国民の豊かな資産形成に最善を尽くすとともに、投資信託を通じた責任ある投資活動によって社会課題の解決を図り、サステナブルな社会の実現に貢献することです。
資産運用会社は、顧客本位の業務運営を実践するべく、健全な競争環境で運用力を磨きながら、運用商品について信頼のおける開示を行うことで、投資家から信任をもって運用を託されることを目指しています。
環境問題や社会問題が顕在化する中で、資産運用会社によるESG関連投資にも大きな期待が寄せられ、周辺を取り巻く状況は刻々と変化しています。資産運用会社がESG関連投資を行い、ESG投信を取り扱う際には、その影響力の大きさを認識したうえで、グローバルな規制動向も踏まえながら、自社のESG関連投資についての考え方や運用方針、商品内容を明らかにし、実効性のあるプロダクトガバナンスやモニタリング体制のもと、投資家の投資ニーズに即した商品が適切に届けられるよう最善を尽くすことが求められています。とりわけ、ESG投信については、監督指針の内容を踏まえ、その該当性について各社で判断のうえ、適切な業務運営を確保する必要があります。
資産運用会社は、様々な形で投資先の企業価値向上や持続的な成長に取り組み、様々なESG要素の考慮の方法や度合いを取り入れた個別の投資信託商品を提供しています。投資信託を通じた多種多様なESG関連投資の流れを一層力強く確かなものにしていくことにより、サステナブルな社会の実現に貢献することが資産運用業界に対し望まれています。
本会の政策委員会の下に設置された「投資信託のESGに関する意見交換会」では、ESG関連投資やESG投信に関する課題に対する資産運用会社としての基本的な考え方について、プリンシプルベースで検討を行いました。
今般、その内容を「ESG関連投資を行う資産運用会社としての基本的な考え方」として取りまとめ、令和5年5月18日開催の第955回理事会にて決議いたしましたので、以下のとおり公表いたします。