専門家に学ぶ 投資信託実践編

第2回 どこで、どのような方法で買うか

講師:元 日本証券経済研究所 特任リサーチ・フェロー 杉田 浩治 氏

広がっている投資信託の買付窓口と買付方法

投資信託は、1990年代後半までは全国の証券会社と一部の投信会社でしか買うことができませんでした。しかし金融ビッグバン(金融業務の自由化)のもとで、多くの金融機関が投資信託の販売を取り扱うようになりました。現在では、証券会社のほか、銀行、郵便局、信用金庫・信用組合、農協など多くの金融機関で投資信託を買えるようになっています。
また買付方法も多様化しています。販売会社の店頭に行く(あるいは販売員に来てもらう)方法のほか、電話窓口(「コールセンター」と呼ばれる大規模な専門組織を持っている会社もあります)を利用する、さらに最近はインターネット取引も広がっています。また勤務先が「確定拠出年金制度」を導入している場合には同制度を通じ投資信託を購入することも可能です。
以上のことを整理して表にすると次のようになります。

◎印は多くの会社・店舗で取り扱っている、○は一部の会社・店舗で取り扱っていること(筆者推定)を示す。

投資信託の取扱機関と買付け方法
取扱機関 買付方法
店頭に行く(または販売員に来てもらう) 電話窓口を利用する ネット取引を利用する
証券会社
銀行
郵便局
信用金庫・信用組合・農協など
直販投信会社
(勤務先企業が「確定拠出年金」導入している場合には、その運用商品として投資信託を選択することも可能)

自分に合った会社・方法を選ぼう

上記のどの方法を利用するかは、人によって異なるでしょう。たとえば①既に信頼できる会社や担当者との取引がある場合には、投資信託についてもその会社や担当者と取引をすることが考えられます。
②そうした既存のお付き合いがない場合で、(イ)「投資信託を買うのは初めてで、アドバイスが欲しい」という場合には近くにある取扱会社の店頭に行くのが良いでしょうし(豊富な資料等を提示して説明してくれるはずです)、(ロ)「投資の知識は持っていて、便利さやコストを重視したい」という場合はネット取引が可能な会社に口座を持つことが良いでしょう(ネット取引は24時間利用できることが多い上、購入手数料が割引になることがあります)。また、その中間で(ハ)「ある程度のアドバイスは欲しいが近くに店がない、店に行く時間がない」といった場合は電話窓口を利用することが考えられます。