調査報告

一般向け首都圏・阪神圏調査結果【2011年(平成23年)調査結果の概要】

投資信託の保有状況

投資信託の保有率は9.4%、保有経験率は6.6%。年代別では、保有率、保有経験率ともに年代が上がるにつれて高くなり、70歳以上では保有率が17.7%にのぼる。

投資信託の保有状況のアンケート結果

投資信託の保有種類(現在保有層)・複数回答

現在保有層(投資信託を現在保有している層)での投資信託の保有種類は、「株式投資信託」が60.6%で最も高く、「外国で作られた投資信託」(38.0%)、「公社債投資信託」(35.9%)が同程度で続いている。

投資信託の保有種類(現在保有層)についてのアンケート結果

投資信託の優れていると感じる点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層にとって、投資信託が他の金融商品と比較して優れていると感じる点は、「定期的に分配金が受け取れる」(43.6%)と「専門知識がなくても投資ができる」(40.2%)が特に高く、「比較的高い利回りが期待できる」(33.6%)、「少額でも株式投資の面白味がある」(29.0%)、「少額でも分散投資ができる」(28.2%)、「購入手続きが簡単である」(26.6%)と続き、それ以外は20%未満と低い。

投資信託の優れていると感じる点(現在保有層・保有経験層)についてのアンケート結果

投資信託の不満に感じる点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層が、投資信託について不満に感じる点は、「元本保証がない」が60.6%ともっとも高い。次いで「手数料が高い」(39.8%)、「運用実績がわかりにくい」(28.2%)、「公社債に比べて安心できない」(24.1%)、「種類が多く選択に迷う」(20.3%)の順に続く。

投資信託の不満に感じる点(現在保有層・保有経験層)についてのアンケート結果

投資信託購入の際の重視点/今後の重視点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層が、投資信託を購入する際の重視点は、「安全性の高さ」(54.4%)が最も高く、次いで「値上がり期待」(40.7%)、「過去の運用実績」(34.0%)、「過去の分配金額」(25.7%)や「分配頻度の多さ」(23.7%)の順となっている。
今後重視したい点としては、「安全性の高さ」が65.6%で特に高い。第2位は「値上がり期待」(38.2%)、第3位は「過去の運用実績」(24.5%)で、第3位までの順位は購入時の重視点と変わらないものの、「安全性の高さ」は購入時の重視点より11.2ポイント高く、「過去の運用実績」は9.5ポイント低い。

投資信託購入の際の重視点/今後の重視点

分配金の特徴認知状況(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層の『分配金』についての特徴認知状況は、「運用成績によって変動する」(82.2%)が最も高い。「成績不良時には支払われない場合がある」(58.5%)や「決算ごとに支払われる」(46.9%)についてもほぼ半数が認知しているが、「支払われた額だけ基準価額が下がる」は17.4%にとどまる。
性別では、「成績不良時には支払われない場合がある」は男性の方が女性より認知度が高く、年代別では、「成績不良時には支払われない場合がある」や「決算ごとに支払われる」は30代で最も高く、年代が上がるほど低下する傾向が見られる。

分配金の特徴認知状況

運用報告書閲読状況(現在保有層・保有経験層)

現在保有層・保有経験層の運用報告書の閲読経験は、「全部読んだ」は2.5%と少ないながらも、「必要と思われる項目を読んだ」(50.6%)と合わせた“閲読経験率”は53.1%と半数ほど。
運用報告書閲読経験者の運用報告書の理解状況は、「よく理解できた」のは0.8%のみであるが、「まあまあ理解できた」(57.0%)と合わせた“理解層”は57.8%と過半数を占める。一方、「よくわからなかった」(39.8%)と「全くわからなかった」(1.6%)を合わせた“非理解層”も41.4%みられる。
運用報告書閲読未経験者の未読理由は、「内容が多すぎて読む気にならなかったので」(50.9%)が特に高く、「難しそうだったので」(22.7%)、「特に興味もなかったので」(20.9%)が続く。
運用報告書の適当な分量は、「4ページ程度」(37.8%)、「8ページ程度」(27.4%)と少ないページ数の希望が多い。

運用報告書閲読状況についてのアンケート結果

投資信託の認知状況

投資信託の認知状況は、「よく知っている」が13.8%、「言葉だけは知っている」が78.7%、「言葉も知らなかった」が7.4%であり、投資信託という「言葉だけは知っている」人が大多数を占めている。

投資信託の認知状況のアンケート結果

今後購入対象として考えている金融商品・複数回答

今後購入対象として考えている金融商品は、「普通預貯金」(48.4%)が特に高く、「ゆうちょ銀行の定額貯金」(32.4%)と「定期預金」(32.1%)が続く。以下、「株式」(11.5%)以外は10%に満たず、「国内の投資信託」は3.7%、「外国で作られた投資信託」は2.5%にとどまる。

今後購入対象として考えている金融商品についてのアンケート結果

投資信託のイメージ・複数回答

投資信託に対するイメージとしては、「仕組みがわかりにくい」(37.6%)と「元本割れが怖い」(33.5%)が特に高く、これら2つが主なイメージとなっている。次いで「用語がわかりにくい」が18.4%となっている。
一方、「わからない・特にない」が34.1%みられ、具体的なイメージができない人も多い。

投資信託のイメージについてのアンケート結果

投資信託購入検討のきっかけ・複数回答

保有未経験層(投資信託を今まで持ったことがない層)が投資信託の購入を検討するきっかけとしては、「金融や投資を勉強して理解できたら」(22.5%)が最も高く、「身近な人に勧められたら」「手取り収入が増えたら」(ともに13.9%)が続く。一方、「購入を検討したいとは思わない」(52.6%)が保有未経験者のほぼ半数を占めるが、残り半数は検討可能性があるといえよう。
性別では、「購入を検討したいとは思わない」は女性の方がやや高く、男性の方が検討可能性が高いと考えられる。
年代別では、40代以下では50代以上に比べて回答している項目が多く、何らかのきっかけが与えられれば、投資信託を購入する可能性も高いと推測される。

投資信託購入検討のきっかけのアンケート結果

最近の景気等を踏まえた資産運用やリスクについての考え方、東日本大震災後の資産運用やリスクについての考え方の変化

最近の景気を踏まえた資産運用やリスクについての考え方としては、「リターンが少なくても元本保証」が27.4%で最も高い。「今が株式や投資信託購入のチャンス」と考える人は4.9%のみ。
「東日本大震災」を経て資産運用やリスクについて考え方に変化があったかをたずねると、「特に変化はない」が76.5%を占める一方、具体的な変化としては、「国債や公共性が高い株式・債券でも安心できないと思った」(13.1%)、「金融資産の書類の所在や内容を再確認した」(6.2%)、「金融資産の状況を再確認した」(4.6%)等となっている。

統計データ/調査