東京証券取引所からのご挨拶 投資教育で従業員エンゲージメント向上を

カンファレンス閉会にあたり、東京証券取引所の専務執行役員小沼泰之が挨拶に立ち、従業員の安定的な資産形成に企業として取り組むことが企業の価値向上につながるとして、継続投資教育の重要性についてお話ししました。

※本記事は、2022年1月11日~1月31日にオンデマンド配信した「企業型確定拠出年金カンファレンス2022」の講演内容を基に構成したものです。

小沼泰之氏写真

株式会社東京証券取引所 取締役 専務執行役員 小沼泰之

人的資本が企業の価値創造のために重要に

本日は長い時間にわたりご視聴いただきまして、誠にありがとうございます。本日の内容はいかがでしたでしょうか。私も大変勉強になりました。

1点目に、まずこれから本番を迎える大きな制度改正に向けた内容を解説していただきました。また、企業の皆さまのお話を聞いておりますと、この改正に向けた皆さまのご準備が大変な段階に差し掛かっているというふうに感じました。変わっていく制度の中で、より良いものを目指してご尽力いただきたいと願っています。

2点目は継続投資教育の問題です。専門家の方に教育の基本やポイント、また昨今の企業におけるワークスタイルが変化している中で、創意工夫が進んでおり、新しい継続投資教育の形が出てきているということにも感銘を受けました。

いずれにしましても、今日の内容が、ご視聴いただきました皆さまのご参考になることを期待しています。

私ども東京証券取引所も今年は1つの大きな節目の年です。2022年4月から始まる市場区分の見直しと併せて、コーポレートガバナンス・コードの推進をしっかりやっていきます。

投資信託協会の松谷会長からお話もありましたけれども、企業の持続的成長、価値向上の中で、今、大きく注目されているのは企業の人材、人的資本という考え方です。私は、こういった考え方は日本の企業の中に伝統的にしっかり根付いているのではないかと思っておりますけれども、哲学だけではなく、しっかりと形にして、情報開示もしていただく、そんな時代がやってきたのだろうと感じています。

そんな中で、従業員の皆さまのライフプランを会社としてどのように支え、つくっていくか、また安定的な資産形成に会社としてどのように取り組んでいくか、こういったことが企業の価値向上の中での大きな観点になってきている、そういった時代に来ていると思います。

上場会社の皆さんも、こういった動きの中でしっかり準備をしていただいて、引き続き企業価値向上を進めていただければ、マーケットとしてもありがたいと考えています。

東京証券取引所も金融リテラシー推進に取り組む

最後に、私ども東京証券取引所の金融リテラシー推進に向けた活動につきましても、少しご紹介します。東証では、「出張マネ部」というプロジェクトで、上場会社をはじめ、職域での勉強会の開催や講師派遣を行っています。すでに300回、1万5000人を超える方々に、長期積立分散による投資、あるいは資産形成の重要性を説明してきました。この活動に対して、徐々に多くの問い合わせ、ご要望をいただくようになってきました。これからも、しっかりと力を入れて進めていきたいと思います。

新たな学びを資産形成という観点で進めていただくという取り組みに、私どもも、引き続き皆さまとご一緒させていただければと考えていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

出演者の氏名・プロフィール

松谷 博司氏写真

株式会社東京証券取引所 取締役 専務執行役員
小沼 泰之(こぬま・やすゆき)

1961年生まれ、東京都出身。 84年慶応義塾大学経済学部を卒業。同年東京証券取引所入所。 1986~87年東京銀行(現・三菱UFJ銀行)への出向。1990~92年米カリフォルニア大学バークレー校に留学(同校経営学修士課程を修了)。その後、東証の国際関連業務に従事。2007年からは上場推進業務に従事し、企業の新規上場支援、新商品(ETF、REITなど)の開発・プロモーションを統括。2017年取締役常務執行役員を経て、2020年より現職。

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