投資信託協会からのご挨拶 2041年、資産形成をすべての人に

冒頭、投資信託協会の会長、松谷博司が挨拶に立ち、2021年5月に公表された「すべての人に世界の成長を届ける研究会」の報告書に基づいて、20年後の資産形成のありたい姿、それを達成するための5つのターゲットと具体的な施策についてお話しいたしました。

※本記事は、2022年1月11日~1月31日にオンデマンド配信した「企業型確定拠出年金カンファレンス2022」の講演内容を基に構成したものです。

松谷博司氏写真

投資信託協会会長 松谷博司

「2041年の資産形成のありたい姿」を描き、
それを見える化した5つのターゲットを設定

このカンファレンスも早いもので、今回で4回目となります。主催者として、手前味噌ではありますが、「DCの普及が、必ず人々の豊かな暮らしに貢献する」という、運営関係者の熱い想いが詰まった、大変、すばらしいカンファレンスになっています。今回も、職場でDCの普及に積極的に取り組んでおられる企業さまの、具体的な取り組み事例が紹介されるなど、このカンファレンスをご視聴される皆さまに、大いに参考にしていただける内容になっています。

投資信託協会では2021年5月に「すべての人に世界の成長を届ける研究会(通称:つみけん)」からの報告書を公表しました。その報告書では、今から20年後、「2041年の資産形成のありたい姿」を想定し、それを「見える化」して数字で示したものを5つのターゲットとしました。そして、それを達成するためには、どういう施策が必要かという具体的な「15のアイデア」という提言も併せて行いました。

これが20年後、2041年に実現したい理想の姿です。老後のために節約するというより、“今”を大事にするために資産形成を行い、誰かがやってくれるのではなく、より良い社会を自分たち自身が投資をして創ってゆくという社会を「実現したい理想の姿」としました。

ターゲットの1つは
「現役世代の年代別金融資産の中央値を2倍に」

それを数字に落とし込んだものが5つのターゲットです。例えば、ターゲット1は「現役世代の年代別金融資産の中央値を2倍に」です。これは、現在の40代の方の金融資産の中央値は550万円ですから、20年後の40代の中央値を1100万円となることを目指すというものです。皆さんの資産形成のベンチマークになれば幸いです。20代で月々1万円、30代で1万5000円、40代で2万円といった具合で、やれば達成できる水準です。やってやれない金額ではないと思います。

ターゲット5では「金融投資教育を受けたことのある人の割合が100%」という目標も掲げました。私はこれが一番大事だと思っています。本当は金融・投資について、学生時代にしっかりと学んでいただければよかったのですが、日本ではあまりそのような機会がなかったので、職場で、投資のテクニックなどではなく、投資と社会の仕組みをしっかりとお伝えすることがとても大切になります。

投資信託協会では、これらの理想の姿の実現に向けて、どの程度進んだかを測れるように、定期的にこれらの数字の進捗を公表していきます。

DC担当者のご尽力が自社の競争力向上にもつながる

私的年金であるDCと個人の資産形成は本来、分けて議論すべきものかもしれませんが、ここでは、合わせて、将来のための資産形成と捉えますと、このカンファレンスのテーマである、企業型DCのさらなる普及は、「実現したい理想の社会」に少しでも近づくために、きわめて重要であり、それには、職場で担当されている皆さまのご尽力がなにより大切であると考えています。

企業の競争力は人的資本がカギを握るといわれ、投資家が企業を評価するときの大きなポイントにもなっています。人が長く安心して働けるように、資産形成の支援をすることは、人的資本の価値を必ず高めます。DC担当の皆さまのお仕事は、ご自分の会社の競争力を高めるのに重要な役割を担っています。従業員の方々への継続的な投資教育の充実や、手続きをできるかぎり簡単にする工夫など、ぜひ、よろしくお願いいたします。

そしてDCがさらに普及し、多くの人が投資信託をご利用されたとき、皆さまから大切なご資金を託された、我々資産運用業界は、皆さまと一緒になって「すべての人の資産形成と持続可能な社会創り」という社会課題の解決に向けて、全力を尽くすことをお約束します。

出演者の氏名・プロフィール

松谷 博司氏写真

一般社団法人 投資信託協会 会長
松谷 博司(まつたに・ひろし)

1959年生まれ。83年、大阪大学経済学部卒業後、野村證券に入社し、主として企業金融業務に携わる。2006年4月野村證券執行役、13年専務執行役員、15年取締役を経て、16年に野村アセットマネジメント取締役会議長、17年には野村資本市場研究所代表取締役社長に就任。2019年6月より現職。

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