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気になる100選

基礎知識編

分配金・換金/償還の知識 分配金・換金/償還の知識

分配金とは何ですか。

分配金とは、運用して得た収益から、保有口数に応じて受益者(投資家)に還元されるお金(配当)のことです。投資信託には、分配金ありのタイプと、分配金なしのタイプがあります。分配金ありのタイプは、税金がかかる「普通分配金」と、税金がかからない「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があります。

分配金の支払いは、決算時に行われるのが一般的です。ただし、分配金を支払うかどうかは、運用成果や今後の運用戦略を考慮したうえで、運用会社が決定します。上限金額は投資信託協会が決めていますが、実際の分配金の金額は、運用会社が自由に決められます。

なお、法令によって、分配金の分配方法は信託約款によって定められなければなりません。信託約款の内容は、運用会社が作成し、販売会社が交付する「投資信託説明書(交付目論見書)」で確認できます。

分配金の支払い原資は、投資信託の運用に使われる信託資産です。分配金を支払うと、信託資産が目減りするため、その分だけ基準価額が下がる点に注意が必要です。

分配金には、運用して得た収益から支払われるもののほかにも、元本の一部から払い戻される元本払戻金があります。分配金が支払われる際、基準価額が個別元本(投資信託を購入した際の基準価額)を下回った場合、差額の部分が元本払戻金として分配されます。

元本払戻金は実質的に元本の払い戻しであるため、税法上は非課税です。運用収益から支払われる「普通分配金」の場合は、全額が課税対象となります。

分配金はいつ受け取れますか。

投資信託には、分配金ありのタイプと、分配金なしのタイプがあります。分配金ありのタイプは、そのまま分配金を受け取るコースと、分配金を再投資するコースの2種類に分かれます。

分配金を受け取るコースを選んだ場合、分配金の受け取りは一般的に投資信託の決算日から4~5営業日後です。「分配金受取コース」を選んでいる場合は、販売会社を通じて、分配金が自分の口座に振り込まれます。

一方、分配金を再投資するコースを選んでいる場合は、分配金から税金を差し引いた相当分で、同じ投資信託の追加購入を行います。分配金は受け取れませんが、投資信託の保有口数が増えることになります。

投資信託の分配金の留意点は何ですか。

投資信託は、あらかじめ定められた計算期間(1年、6ヶ月、3ヶ月、2ヶ月、毎月等)ごとに決算を行い、受益者(投資家)に分配金を支払います(ただし、運用状況によっては決算期に分配金を支払わないケースがあります)。

注意が必要なのは、分配金を受け取ると、保有する投資信託の基準価額が下がるという点です。分配金は信託財産から支払われるため、分配金が支払われた分、投資信託の純資産額が減少します。投資信託の基準価額は、投資信託の純資産額に基づいて決められているため、純資産額の減少によって下落します。

また、分配金が高い投資信託が、必ずしもトータルリターンが高いとは限らない点にも注意しましょう。トータルリターンとは、投資信託から得られる収益をすべて足し合わせたもので、投資信託の売却によって得たキャピタルゲイン(譲渡益)のほか、分配金や基準価額の変動が含まれます。

分配金の上限額は、投資信託協会のルールに基づいて決められていますが、運用会社は上限の範囲内で、自由に分配金額を決定できます。運用会社によっては、計算期間中の計算期間中の収益を超えて分配金が支払われ、基準価額が大きく値下がりするケースもあります。分配金は高くても、トータルリターンが高くならない場合があるため、投資信託を選ぶときは両方を比較することが大切です。

分配金再投資コースが設定された投資信託では、分配金を現金で受け取らず、同一の投資信託に再投資することもできます。分配金を再投資に回すことで、複利効果を活用し、投資信託の運用効率を高めることが可能です。

安定したインカムゲイン(継続的な収入)を得たい場合は、決算頻度が比較的高い「毎月分配型」などの投資信託を購入し、分配金受け取りコースを選びましょう。一方、複利運用によって投資効率を高めたい場合は、決算頻度が低い「毎年決算型」などを選択し、分配金再投資コースを選ぶのがおすすめです。

分配金が多い投資信託はいい投資信託ですか。

分配金が多い投資信託ほど良いと思われがちですが、そうとは限りません。分配金の支払い原資は、投資信託の運用に使われる信託財産です。分配金を支払うと、信託財産が目減りするため、その分だけ投資信託の基準価額が下落します。分配金の金額だけでなく、投資信託の基準価額も含めたトータルリターンで、投資信託の良し悪しを比較する必要があります。

なお、決算時に分配金を受け取らず、分配金相当額を投資信託に再投資することも可能です。そうすることで複利運用効果が働き、投資効率を高めることが可能です。たとえば、元金10,000円を運用し、1年後に1,000円の分配金が得られたとします。この1,000円を受け取らず、元本10,000円に分配金1,000円を合わせた合計11,000円を複利10%で運用すると、複利運用後翌年には12,100円になります。複利運用を10年継続すると、当初10,000円だった信託資産が25,937円に増加します(全て税金は考慮していません)。

運用期間が長ければ長いほど、分配金を再投資した場合の複利運用効果が大きくなります。金額が大きいからといって、分配金を受け取ると、その分の複利運用効果が得られません。中長期的には分配金を再投資した場合と比べて、機会損失を被るケースがあるため注意しましょう。

また一方では、分配金を再投資すると、投資信託の売却等を行わない限り、投資の成果を現金で受け取ることができない等のデメリットもあります。

分配金を「受け取る」か「再投資」をするか、それぞれのメリットとデメリットを考慮し、また、投資家自身の目的に応じて運用は行いましょう。

J-REITの分配金には特徴があると聞きましたが、どのようなものですか。

J-REITはそれ以外の投資信託と比べて、投資家が分配金を得やすい金融商品です。J-REITの多くは年に2回決算を行うため、分配金も年に2回受け取れます。少数ながら年1回決算のJ-REITもあるため、分配金を目的にJ-REITを購入する場合は、あらかじめ販売会社に確認しましょう。

J-REITの分配金には、法人税の優遇措置があります。「収益の90%超を分配する」などの条件を満たせば、運用会社は法人税が免除されるという特徴があります。すべてのJ-REITで、必ず収益の90%超が分配されるわけではありませんが、優遇措置のために収益の90%超を分配する運用会社が多くなっています。そのため、上場株式、投資信託、ETFなどの投資型商品の中では相対的に高い配当利回りが期待できます。

元本払戻金(特別分配金)を受け取らないことはできますか。

「元本払戻金(特別分配金)」を受け取らず、「普通分配金」と同様に再投資に回すことは可能です。分配金再投資コースを選んだ場合、分配落ち後の基準価額に基づき、投資信託の買い増しを行います。原則として、この際に手数料は発生しませんが、一度受け取った分配金を再投資する仕組みのため、普通分配金を再投資する場合は20.315%の課税がされます。しかし、元本払戻金は元本の一部の払い戻しを受けるものであり、非課税です。普通分配金と違い、元本払戻金を再投資しても課税されません。なお、元本払戻金を受け取らなかった場合でも、元本払戻金の金額だけ個別元本(購入時の基準価額)が下落する点に注意しましょう。

分配金受取コースと分配金再投資コースは、購入してから変更することはできますか。

投資信託には、収益分配金を受け取る「受取コース」と、収益分配金が自動的に再投資に回される「再投資コース」の2種類があります。販売会社によっては、どちらか一方のみの取扱いとなる場合があります。

投資信託商品がどちらのコースでの取り扱いになるのか、あるいは両方のコースを取り扱うのかは販売会社が決めています。また、購入後のコースの変更が可能かどうかは、両方のコースを取り扱っているケースでも販売会社が個別に取り決めていますので、販売会社にお問い合わせください。

分配金支払い前と支払い後、どちらのタイミングで購入するのが良いですか。

分配金の「支払い前」「支払い後」どちらの方が良いか一概に判断することは出来ません。
分配金は決算時点の信託財産の一部を切り崩して支払われるため、分配金の金額が高くなるほど、投資信託の基準価額が下落します。
分配金支払い直前に購入をすると分配金を受け取ることが可能ですが、その分基準価額は高くなります。
また、分配金支払い直後に購入をしたとしても、支払われた分配金以上に基準価額が上昇した場合には高い基準価額で投資信託を購入することになります。
分配金と基準価額を合わせたトータルリターンで考えると、分配金の「支払い前」に買うか「支払い後」に買うかは、投資成果にはほとんど影響をしません。

分配金は確定申告が必要ですか。

分配金には、税金がかかる「普通分配金」と、税金がかからない「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があります。元本払戻金は課税されないため、確定申告は不要です。

また、課税対象となる普通分配金についても、原則として確定申告は不要です。株式投資信託の普通分配金は、配当所得として20.315%の所得税・住民税が課せられます。同様に公社債投資信託における分配金は利子所得として20.315%の所得税・住民税が課せられます。しかし、どちらの所得についても所得税・住民税は受け取り前に源泉徴収されているため、確定申告は原則不要となります。

なお、特定口座を「源泉徴収あり」で開設している場合は、普通分配金だけでなく、株式や投資信託の譲渡損益も販売会社によって税金が計算されて源泉徴収されることから、原則確定申告が必要ありません。

投資信託の譲渡損と分配金は損益通算可能ですか。

投資信託の譲渡損と分配金(普通分配金)を損益通算できるのは、分配金を「申告分離課税」を選択して確定申告した場合です。配当所得に分類される分配金は、申告分離課税以外にも、配当控除が利用できる「総合課税」も選択できます。しかし、総合課税を選択した場合は損益通算ができません。また、公募国内株式投資信託の普通分配金については、外貨建て資産及び株式以外の資産の組入割合により配当控除率が異なり、外貨建て資産の割合が75%超または株式以外の資産の組入割合が75%超の場合は配当控除の適用はありません。 なお、損益通算できるのは配当所得だけではありません。公社債投資信託を購入している場合の分配金は利子所得となり、申告分離課税を選択し確定申告を行うことで、こちらも損益通算が可能です。

譲渡損と分配金の損益通算を行う方法は、取引口座の種類によって変わってきます。

・特定口座(源泉徴収あり)
年間の譲渡損が確定したタイミングで、販売会社によって譲渡損と分配金の損益通算が行われます。

・特定口座(源泉徴収なし)
「特定口座年間取引報告書」を用いて、確定申告を行う必要があります。

・一般口座
原則として、自分で譲渡損と分配金の損益を計算し、確定申告を行う必要があります。

もし、損益通算の結果、赤字が発生した場合は、赤字部分を翌年度から最大3年間繰り越す「繰越控除」が利用できます。なお、繰越控除を行う場合は、「特定口座(源泉徴収あり)」であっても確定申告が必要です。

投資信託の換金方法について教えてください。

投資信託の換金方法には、「買取請求」と「解約請求」の2つがあります。

・買取請求
途中換金したい投資信託を、販売会社に買い取ってもらう方法です。受益者(投資家)は、投資信託の譲渡の対価を受け取ります。

・解約請求
証券会社などの販売会社を通して、購入した投資信託の一部の解約を請求する方法です。受益者は、投資信託の払い戻しを受け取ります。

なお、2009年の税制改正により、解約・買取の税制上の違いがなくなりました。現在、公募型の株式投資信託(約款上、株式を組み入れられる投資信託)の換金によって生じた利益は、換金方法を問わず、すべて譲渡所得として扱われ、税金などが計算されます。

投資信託の換金はいつでもできますか。

原則として、投資信託はいつでも換金の申込みが可能です。ただし、日々決算型(MRFなど)でない投資信託の場合、すぐに払い戻しを受けられるわけではありません。換金の申込から、実際に口座にお金が振り込まれるまで、およそ4~5営業日はかかります。急にお金が必要になった場合は、払い戻しが間に合わない可能性もあります。

また、投資信託の銘柄によっては、一定期間解約ができない「クローズド期間」が設けられているものもあります。

ただしクローズド期間中であっても換金できるケースがあります。それは投資信託の所有者が死亡した場合や破産した場合等です。クローズド期間中の換金については、「投資信託説明書(交付目論見書)」や、運用会社のホームページなどで、事前にしっかり確認しましょう。

投資信託の繰上償還とはどのようなことですか。

投資信託は信託約款に基づき、信託期間(運用期間)が定められています(中には期間を設けていない「無期限」もあります)。しかし、信託約款で定められた条件を満たした場合、信託期間の途中で運用会社が信託財産の運用を取りやめ、受益者(投資者)に前倒しで返還することがあります。これを投資信託の繰上償還といいます。信託約款は、運用会社が作成し、販売会社が交付する「投資信託説明書(請求目論見書)」で確認することができます。

繰上償還が行われる代表的なケースは次の3つです。

・投資信託の残存口数が一定規模を下回った場合
・純資産総額が減少し、継続的な資産運用が難しくなった場合
・信託の終了(繰上償還)が、受益者にとって有利であると認められた場合

繰上償還が行われる場合、運用会社には公告を行うか、すべての受益者に書面を交付するのが一般的です。受益者には異議申立期間が与えられ、書面を通じて繰上償還に反対することも可能です。ただし、繰上償還の条件があらかじめ信託約款に明確に記載されている場合は、受益者の是非を問わずに償還できるため、事前に信託約款を確認しましょう。

解約するときに、「口数」を指定しないと解約できないケースがあります。どうすれば計算できますか。

「解約したい金額」と、保有する投資信託の「基準価額」がわかれば、解約時に指定する口数(くちすう)を計算することができます。

解約するときの口数の計算式は次の通りです。
口数=解約したい金額÷基準価額×10,000
(基準価額が1万口あたり円で表示されている場合)

たとえば、10万円分の投資信託を解約したい場合を考えます。投資信託の基準価額が、1万口あたり8,000円だったとすると、10万円÷8,000円×10,000=12万5,000口を解約することになります(利益が発生している場合、税金は考慮していません)。また、基準価額が1万口あたり1万2,500円であれば、10万円÷1万2,500×10,000=80,000口の解約が必要です。

ただし、解約の注文を出す時点では、解約手続きが行われるときの基準価額はわかりません。この計算で求められる口数は、あくまでも概算であるという点に注意しましょう。

投資信託は販売会社間で移管できますか。

投資信託の移管とは、信託財産を別の口座に移すことです。たとえば、A証券会社で購入した投資信託を、B証券会社の口座に移すようなケースが当てはまります。原則として、移管先の販売会社が同じ種類の投資信託を扱っている場合に限り、投資信託を販売会社間で移管できます。

投資信託を移管する場合、次の2つを必ずご確認ください。
・移管元の販売会社が、移管サービスに対応しているか
・移管先の販売会社が、その種類の投資信託を扱っているか

口座間の移管を無料で行っている販売会社もあれば、手数料がかかる販売会社もあります。投資信託の移管は、販売会社によって異なるため、移管を検討している場合は、販売会社の窓口などでお問い合わせください。

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