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投資信託なんでもQ&A
気になる100選

基礎知識編

投資信託の基礎知識 投資信託の基礎知識

投資信託にはどのような種類、分類がありますか。

投資信託は、運用の対象によって、5つに区分けすることが出来ます。

・追加購入が可能かどうか
投資信託を購入するタイミングによって、「単位型」と「追加型」の2つに分かれます。単位型の商品には「当初募集期間」が設定されその期間のみ購入できますが、追加型の商品は原則として運用されている期間中はいつでも購入可能です。

・投資対象の地域はどこか
投資信託の投資対象の地域によっても分けられます。投資収益を得る対象が、主に「国内」であるものや「海外」であるもの、「内外(国内及び海外)」であるものの3種類あります。

・投資対象の資産はなにか
投資信託には、どのような資産によって投資収益を得るか、という区分もあります。「株式」が中心であるものや「債券」が中心であるもの、不動産投資法人が母体となり実物不動産から収益を得る「J-REIT」があります。また、上記以外から投資収益を得る「その他資産」、複数の種類の資産を組み合わせた「資産複合」などといった区分もあります。

・独立した投資信託の区分
特筆すべき投資信託の区分として、「MMF(マネーマネジメントファンド)」「MRF(マネーリザーブファンド)」「ETF」の3種類があります。MMFは日々決算を行う公社債投資信託の1つです。ただし現在世界的な低金利の影響を受けて、円建てのMMFは運用が行われておらず、外貨建てMMFも繰上償還が相次いでいる状態です。MRFも日々決算型ですが、証券総合口座用の投資信託であり、極めて安全性の高い債券を中心に投資するものです。MMFもMRFも株式は運用対象に含まれません。ETFは証券市場に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託です。

・インデックス型(パッシブ型)か特殊型か
最後に、「インデックス型」か「特殊型」か、という区分があります。インデックス型とは、株価指数などと連動した運用を行う投資信託です。特殊型とは、所謂、アクティブ型で、アクティブファンドなどを指します。特殊な運用手法を用いるため、事前に受益者(投資家)に対し、注意喚起が行われる投資信託です。

投資信託の違いを知り、自分に合った商品を選びましょう。

投資信託は誰が運用しているのですか。

日本で投資信託の運用業務を行えるのは、内閣総理大臣から投資運用業の登録を受けた「金融商品取引業者」(以下、運用会社)です。登録を受けた運用会社は、金融庁のHPで確認できます。各運用会社の住所や電話番号も掲載されているため、投資信託の購入の前に確認してみるのもよいでしょう。

通常、運用会社の内部で銘柄選択や資産配分などを担うのは、ファンドマネージャーや運用チームです。運用会社には、それ以外にも「リサーチ」「トレーディング」「リスク管理」「評価」「コンプライアンス」など、さまざまな機能が存在し、投資信託の運用体制や運用哲学は、運用会社によって異なります。

また、運用の全部または一部を他の運用会社(海外の投資顧問会社など)に委託する運用形態や、投資信託として販売したお金で複数の投資信託などに分散投資を行う「ファンドオブファンズ」、複数のベビーファンドで集めたお金を大きなマザーファンドで運用する「ファミリーファンド」という運用形態もあります。運用会社の「投資信託説明書(交付目論見書)」やホームページを確認し、自分に合った運用会社を選ぶことが大切です。

投資信託の販売会社にはどのような会社がありますか。

投資信託の販売会社は、証券会社、銀行、保険会社、信用金庫、信用組合など、多くの金融機関があります。また、運用会社が自社で運用する投資信託を直接投資家に販売(「直販」と呼ぶ)しているケースもあります。取り扱う投資信託の数や種類は、販売会社によって違うため、販売会社を選ぶときは、まず自分の投資したいタイプの商品を扱っているかどうかを確認しましょう。

そのほか、次のような点も販売会社を選ぶうえで重要です。

・アクセスのしやすさ(店舗が便利、オンラインで投資できるなど)
・購入時手数料(販売手数料)の水準はサービスに見合っているか
・コンサルティングを利用できるかどうか
・積立投資が利用できるかどうか

投資信託への投資で失敗しないためには、自分自身の運用ニーズに合致した販売会社を選ぶ必要があります。受け身にならずに明確な投資スタンスを自分自身で決め、販売会社に相談することが大切です。

インデックスファンド、アクティブファンドとは何ですか。

「インデックスファンド」とは特定の指数(インデックス)と運用の成果を連動させ、指数と同じような値動きとなる投資信託のことで、「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」「ダウ工業株30種平均(NYダウ)」などの指標を目安としています。

一方、「アクティブファンド」とは、運用会社が独自に銘柄選択や投資判断などを行い、TOPIXなどの指数を大きく上回る投資成果をあげようとする投資信託です。しかし、運用がうまくいかないと、指数を下回る運用成果しか出ないリスクがあります。また、アクティブ運用は運用会社独自の銘柄選定や投資対象の精査などを行ったり、短期的な売買を繰り返したりするため、インデックスファンドよりも運用管理費用(信託報酬)などの投資コストがかかります。パフォーマンスがよい投資信託を選べば、高いリターンが期待できるのがアクテイブファンド、市場平均並みの収益を期待できる投資ならインデックスファンドが適しているでしょう。

バランス型ファンド(資産複合型)とは何ですか。

バランス型ファンド(資産複合型)とは、複合資産型とも呼ばれ、ひとつの資産に偏ることなく、株式・債券などの異なる種類の資産(アセットクラスという)を組み合わせた投資信託のことです。更に、国内市場だけでなく、海外市場の異なる地域や市場にバランスよく投資をしていることから、1つの投資信託で分散投資の効果が得られるため、バランス型ファンドは比較的リスクが抑えられているのが特徴です。特に株式の組み入れ比率が少なかったり、値動きの異なる資産を組み合わせた投資信託は、価格変動リスクが大きく抑えられます。

また、バランス型ファンドには複数の投資信託に投資を行う「ファンドオブファンズ」と呼ばれる形式の投資信託もあります。

単位型投資信託・追加型投資信託とは何ですか。

自らの購入したいタイミングで購入ができる投資信託とできない投資信託が存在します。

単位型投資信託は、ユニット型投資信託、クローズ型投資信託とも呼ばれます。単位型投資信託では、「当初募集期間」が設定されており、当初の決められた期間を逃すと投資信託を購入することができません。運用期間中に解約・払い戻しできるかどうかについても、商品によって異なります。商品によっては、一定期間解約できない(「クローズド期間」という)ものもあるため、必ず販売窓口や目論見書で確認しましょう。

単位型投資信託と違い、「当初募集期間」が終わっても投資家自らのタイミングで購入・換金することができるのが、追加型投資信託(オープン型投資信託)です。ただし、当初募集期間中は申込価額で購入できますが、募集期間が終わった後はそのときの時価である基準価額で購入しなければなりません。一般投資家が購入できる投資信託の多くは、こちらの追加型投資信託です。

基準価額とは何ですか。どこでその情報は入手できますか。

投資信託には、取引を行う際の「口(くち)」と呼ばれる単位があり、「基準価額」は、投資信託1口あたりの値段のことです。

基準価額の計算式は次の通りです。
基準価額=純資産総額÷総口数×10,000(当初1口=1円の場合)

つまり、投資信託に組み入れられている株式や債券等を時価評価したものに、株式の配当金や債券等の利子などの収入を加え、運用管理費用(信託報酬)などの必要な費用を差し引いたものの合計(純資産総額)を、投資信託の総口数で割ることで、1口当たりの価額が計算され、その価額を10,000倍(かける)すると10,000口あたりの価額、すなわち「基準価額」を計算できます。投資家が投資信託を購入したり、換金したりする際は、この基準価額に基づいて取引が行われます。

新聞やインターネットで公表されている基準価額は、投資信託1万口分の値段であることがほとんどです。たとえば、1口1円で募集がはじまった投資信託なら、1万口あたりの基準価額は1万円です。投資信託を運用すると、運用成果によって1口あたりの値段が変動するため、基準価額は一定であるとは限りません。

多くの運用会社や販売会社は、最新の基準価額を自社のホームページで公表しています。また、投資信託協会の「投信総合検索ライブラリー」でも、投資信託の基準価額を調べることが出来ます[注1]。
[注1] 投資信託協会:投信総合検索ライブラリー
https://toushin-lib.fwg.ne.jp/FdsWeb/FDST000000
市場でなにか大きな出来事があり、基準価額が大きく変動した場合は、運用会社が詳しいレポートを発表することもあります。

また、運用会社や販売会社のホームページ、投資信託協会のホームページでは、投資判断の基準となる「投資信託説明書(交付目論見書)」や「交付運用報告書」なども確認できます。投資信託を始める際は基準価額を含め、ホームページから最新の情報を入手することが大切です。

基準価額の変動要因である、インカムゲイン、キャピタルゲインとは何ですか。

投資信託の基準価額は、インカムゲイン、キャピタルゲインの両方の影響を受けています。

インカムゲインとは、株式の配当金や債券の利子など、資産を保有していることで得られる継続的な収入のことです。

インカムゲインに対し、株式や債券などの資産を売却(償還)することで得られる売却益(売買差益)のことをキャピタルゲインといいます。逆に、株式や債券などの資産の売却(償還)によって損失が出た場合は「キャピタルロス」といいます。

一般的にインカムゲインは定期的に安定した収益を得ることができるとされていますが、その反面、キャピタルゲインは得られる収益が大きくなる可能性がある一方、損失が発生してしまうリスクが発生します。

海外の銘柄に投資する投資信託なのに、なぜ基準価額や分配金は円なのですか。

海外の銘柄に投資する投資信託でも、基準価額や分配金は必ず円建てで計算されるからです。基準価額の計算式は次の通りです。

純資産総額(資産総額-負債総額)÷受益権総口数×10,000=基準価額(当初元本1口=1円の場合)

基準価額とは、投資信託10,000口または1口あたりの値段のことです。投資信託に組み入れられている株式や債券等を時価評価したものに、債券等の利子や株式の配当金などの収入を加え、運用管理費用(信託報酬)などの必要な費用を差し引いたもの(純資産総額)を、投資信託の総口数で割ったものが基準価額です。このとき、組み入れられた資産が米ドル・ユーロなどといった外貨建ての場合、米ドル・ユーロで時価評価を行ってから、為替相場の対顧客相場(日本時間の午前10時ごろ)に基づき、円換算を行います。基準価額の計算の途中で必ず円換算が行われるため、日本の投資家は円ベースでの購入、換金、分配金の受け取りができる仕組みになっています。

投資信託の「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」には、どういう違いがありますか。

為替ヘッジとは外国の株式や債券などを投資対象とする投資信託が為替変動の影響を軽減する仕組みのことです。
「為替ヘッジあり」の投資信託では為替の値下がりによる損失を避けられるメリットがあります。「為替差損を避けたい」「将来的に円高になりそう」と考える場合は、「為替ヘッジあり」の投資信託を選ぶ方法もありますが、為替ヘッジを行うために一定の費用が掛かったり、円安となった場合に利益を受けられないといった様に、メリットを手放す可能性もあります。

「為替ヘッジあり」は外国の株式や債券などを投資対象とする投資信託に投資をするものの、極力為替変動のリスクを抑えながら運用をしたい人に向いており、「為替ヘッジなし」は外国の株式や債券などの値上がりだけでなく、為替変動による収益を期待されている方に向いているといえます。
「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」はそれぞれが別の投資信託となります。通常、「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」の変更は、投資信託を解約し新たに購入することで行えます。販売会社によっては、購入時手数料が割引、もしくは「為替ヘッジなし」から「為替ヘッジあり」へ、あるいはその逆を無料でスイッチングができる場合もあるので、為替の状況によっては途中で変更を考えている方は、購入前に確認しておきましょう。

投資信託の値下がり要因となるリスクにはどのようなものがありますか。

投資信託の基準価額は、組み入れられた銘柄の価格の下落によって値下がりします。投資信託の値下がり要因として、「価格変動リスク」「信用リスク」「金利変動リスク」などが挙げられます。また、外貨建て資産を扱う場合は、「為替変動リスク」のほか、特定の国・地域の社会情勢の変化にともなう「カントリーリスク」があります。

投資対象や投資比率によって、リスクの種類・程度が異なりますので、自分が保有している、あるいは購入を考えている投資信託にはどんな値下がりのリスクがあるのか、運用会社が公開している最新の「投資信託説明書(交付目論見書)」を確認しましょう。

また、運用リスクをなるべく抑えるためには、運用会社の過去の実績を調べることも大切です。インデックスファンドであれば、投資信託の値動きは、ベンチマークの値動きと概ね一致します。しかし、アクティブファンドの場合、運用会社の銘柄選択や資産配分がうまくいかなかった場合、ベンチマークよりも高い運用成果を得られない可能性があります。

なお、投資信託の過去の運用実績は、将来の運用成果を約束するものではありません。すべてのリスクを事前に予測することは困難ですが、運用実績を通じて事前に運用会社の投資方針を知ることで、運用リスクを抑えやすくなります。

新興国への投資はなぜ値動きが大きいのでしょうか。

新興国は先進諸国と比べて、現在の経済水準が低く、政治や社会情勢なども不安定です。そのため、これらに対する不安が、証券市場や為替市場に影響し、新興国への投資は値動きが大きくなることがあります。一方で、人件費の低さなどに魅力を感じた企業の生産拠点移転や、インフラ整備などにともなう市場や経済の急成長などにより、新興国には先進国を上回る成長ポテンシャルがあるといわれています。そのため、株式などは今後大きな値上がりが期待できる可能性もあります。

昨今の新興国株式市場は、世界経済の見通しの変化や世界各国の財政状態の変化などの影響を受けて、不安定な値動きを示していますが、中長期的にみると新興国には高い成長ポテンシャルを秘めているため、今後大きく伸びていく可能性のある市場といえるでしょう。

分散投資の考え方について教えてください。

分散投資とは特定の銘柄やタイミングに集中せず、さまざまな金融資産(銘柄)を組み合わせて運用する投資手法のことです。分散投資の方法には、複数の資産に投資を行う「資産分散」、複数の通貨に投資を行う「通貨分散」、売買のタイミングを何回かに分ける「時間分散」などがあります。

投資信託においては、リターン(収益の大きさ)とリスク(結果の不確実さ)のバランスが重要です。分散投資を行うことで、同程度のリターンを確保しつつ、投資の不確実性を低減することが可能です。

ただし、分散投資の対象として、同じような値動きをする資産や銘柄を選んでもあまり効果はありません。むしろ、資産が値下がりした結果、含み損がどんどん積み重なってしまう恐れがあります。分散投資においては、一方が値下がりするともう一方が値上がりするような、異なる値動きをする資産や銘柄(互いに相関の低い資産や銘柄)を選んで組み合わせることが大切です。

投資信託の資産残高は多い方がいいのですか。

投資信託の資産残高のことを「純資産総額」といいます。投資信託の純資産総額は、数百万円から数兆円までさまざまですが、純資産総額が多ければよいというわけではありません。

たとえば、純資産総額が極端に大きすぎると、次のような投資対象や投資市場などによっては運用面の制約が生まれます。
・投資対象の市場規模が小さい
・小型株や新興国市場など、市場の流動性が低い
こうした投資対象や投資市場などによっては、株式を大量に売買すると価格が大きく動くため、売買を控えたり、市場平均に合わせた運用しかできなかったりするケースがあります。

逆に、純資産総額が極端に少ない投資信託には十分な運用能力がありません。分散投資ができなかったり、売買時には相対的に大きな運用コストがかかったりと、さまざまな運用上の制約が生じます。運用期間中に、繰上償還(途中償還)が行われる可能性もあります。ただし、「ファミリーファンド」の投資信託や「ファンドオブファンズ」の場合は、純資産総額が少なくても運用上支障のないケースもあります。資産残高だけでなく、投資信託の種類にも注意しましょう。

また、純資産総額が多い、少ないことに関わらず、純資産総額が減少傾向にあるファンドには注意が必要です。純資産総額の減少には、投資対象としている市場全体の下落によるものや、解約増加によるものがありますので、減少が続くようでしたら確認をしましょう。

よい投資信託かどうかを判断するには何を見たらいいですか。

投資信託の種類によって、良し悪しを判断する基準が異なります。

積極的な運用取引を行う「アクティブ型」の投資信託の場合は、基準価額がベンチマークを上回って推移しているかどうかや、シャープレシオの数値の大きさ(大きいほどよい)が、運用成果を判断するためのポイントです。アクティブ型の投資信託のことを、「アクティブファンド」と呼ぶこともあります。

一方、株価指数などと連動した「インデックス型(パッシブ型)」の投資信託では、対象の指数の値動きと、投資信託の基準価額の値動きを比較します。市場価格と基準価額が連動しており、両者の差が少ないほど運用成績が良好といえます。インデックス型の投資信託のことを、「インデックスファンド」と呼ぶこともあります。

また、分配金を目的に投資信託を購入した場合は、分配金が高い投資信託が必ずしもよい投資信託であるとは限らない点に注意しましょう。分配金の支払いを受けると、投資信託の純資産総額が減少し、基準価額も目減りします。分配金の金額だけでなく、基準価額の変動も加味して投資信託を選ぶことが大切です。

投資信託の評価機関は、これらの点を総合的に考慮し、投資信託のランク付けを行っています。複数の投資信託を比較するときは、同種の商品を同期間で比較しましょう。また、投資信託の評価は過去の実績に対するものであり、将来の運用成果を約束するものではないので注意をしましょう。

大きく値上がりしている投資信託はよい投資信託ですか。

大きく値上がりをした投資信託だからといって、その投資信託が良いとは限りません。

また、一定期間の投資信託の基準価額の値上がり率や値下がり率を表す基準として、「騰落率」があります。この騰落率を見て、大きく値上がりしていれば、よい投資信託だと判断できるわけでもありません。

騰落率を見るときは、投資対象のポートフォリオが類似しており、運用手法も似通った投資信託同士で比較する必要があります。また、騰落率の数値は期間によって変動しますので、運用の良し悪しを判断するときは、同じ期間の騰落率を比較することが大切です。

投資信託の基準価額は、運用の良し悪しだけでなく、投資対象の値上がりによっても変化します。運用会社の運用手腕による値上がりかどうかを判断するには、投資信託のベンチマークと比較することが大切であり、基準価額がベンチマークを上回っていれば、運用成績がよい投資信託だと判断をすることができます。ただし、ベンチマークを定めていない投資信託もあります。

また、大きく値上がりした投資対象は、大きく値下がりする可能性も高くなります。そこで、その投資信託が取ったリスクと得られたリターンのバランスを示す「シャープレシオ」という指標をチェックしましょう。シャープレシオが大きいほど、取ったリスクに対するリターンが高い投資信託だと判断できます。

積立投資のメリット・デメリットは何ですか。

まず、「積立投資」とは、定期的(毎月など)に決まった金額を積立てていく投資方法のことです。無理のない金額からはじめられるため、とくに資産形成期において一定の成果を上げられます。

そんな積立投資のメリットは次の4つです。
・自動で買付けが行われるため、売買取引の手間がかからない。
・毎月同じ金額だけ買いつづけることで、値下がりしたときにたくさん購入でき、平均購入単価を抑えられる。
・購入タイミングを気にせず、いつでもはじめられる。
・分散投資(時間分散)を行うため、長期的には投資リスクをより抑えられる。

一方、積立投資のデメリットは次の3つです。
・保有資産の価値が右肩下がりに下落するような局面に弱い。分散投資(時間分散)をしていても、保有資産のほとんどが下落すれば、含み損がどんどん積み重なってしまう。
・逆に、資産価値がどんどん上昇していくような局面では、分散投資をするよりも、まとめて投資する方が大きな利益を上げられる。
・自動で買い付けが行われるため、投資対象を見直さずについつい放置しがちになってしまう。

積立投資であっても、年1回程度を目安に運用状況を確認し、投資対象を見直すことが大切です。投資信託の将来性や投資環境、自分自身の経済状況やライフプランなどの変化によっては、投資商品の変更や、換金・払い戻しを決断することが必要になってきます。

また、積立投資の手段の1つとして、NISAの「つみたて投資枠」があります。年間の購入金額120万円、成長投資枠と合わせた非課税保有限度額は1,800万円(簿価)まで、投資で得られた利益が非課税になります。

是非、NISAの利用を検討してみて下さい。

詳しくはNISAに関するページをご覧ください。
https://www.toushin.or.jp/newnisa_contents/index.html

投資信託はマル優の対象になりますか。

投資信託でも、「マル優制度(障害者等の少額預金の利子等の非課税制度)」を利用できるケースがあります。利用できるのは「遺族年金の受給者」、「身体障害者手帳の交付を受けている人」などになります。

マル優制度の対象となるのは、「公社債投資信託」に分類された投資信託を購入した場合のみです。公社債投資信託では、約款上、投資対象のポートフォリオに株式を組み入れることができません。そのため、実際には投資対象に株式を組み入れていなくても、約款上、株式を組み入れられる「株式投資信託」を利用している場合、マル優制度の対象にはなりません。投資信託商品を選ぶときは、事前に販売窓口や「投資信託説明書(交付目論見書)」で確認しましょう。

マル優の限度額は、1人につき350万円です。また、マル優のほかにも、個人向け国債などの国債と地方債を対象とした「特別マル優」があります。両者は併用可能で、特別マル優を利用するとさらに別枠で350万円までの利子所得が非課税となります。

また、投資向けの制度として、少額投資非課税制度とも呼ばれる「NISA」があります。NISAの対象は、「上場株式等(上場株式や株式投資信託など)」であり、公社債投資信託が対象のマル優とは別枠で利用できます。

「マル優制度」を利用する場合、投資信託を購入する前に申込み手続きが必要となります。申込み手続きには、利用資格を証明するための「年金証書」や「身体障害者手帳」と「個人番号と個人番号の本人確認ができるもの」などが必要です。

ETFの仕組みを教えてください。

ETF(Exchange Traded Funds)とは、日本語で「上場投資信託」といい、証券取引所に上場し株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託です。ETFには、国内株式などと連動した「国内ETF」、外国株式などと連動し、海外証券取引所に上場する「海外ETF」の2種類があります。

国内ETFの代表的な商品として、「TOPIX(東証株価指数)」と連動したETFがあります。このETFはTOPIX(東京証券取引所市場第一部)の全銘柄の動きを反映しているため、ETFの1銘柄に投資するだけで幅広く分散投資が可能です。ETFは証券取引所に上場しているため、証券会社に口座を開けば手軽に売買取引を行えます。

ETFは運用の仕組みによって、現物拠出に基づく「株式拠出型ETF」や「商品現物型」と、現物拠出によらない「リンク債型ETF」「ファンド・オブ・ファンズ型」や「デリバティブ型」があります。たとえば現物拠出に基づくものとして株式拠出型ETFでは、ETFの指定参加者(証券会社や機関投資家など)が、株式市場で現物株を買い付け、現物株の集合(現物株バスケット)を運用会社に拠出します。指定参加者は現物株バスケットと引き換えに、ETFの持ち分、すなわち「受益証券」を受け取ります。受益証券の価値と現物株バスケットの価値は同一で、値動きも連動します。たとえば、TOPIXのETFに参加する場合、受益証券の値動きはTOPIXの銘柄で構成された現物株バスケットの価値と連動します。受益証券は証券取引所に上場されるため、一般の投資家が購入したり、売却したりすることが可能です。

一方、たとえば現物拠出に基づくものとしてリンク債型ETFは、特定の指数に価格が連動するように設計された債券のことで、指定参加者が運用会社に金銭を拠出します。これは、株式の現物拠出が難しい新興国の指数に連動するタイプや金価格に連動した「金価格連動型上場投信」などがあります。

ETFを購入するメリットやデメリットを教えてください。

ETFを購入するメリットは2つあります。
まず、一般的な投資信託とは異なり、ETFは証券取引所に上場しているため、株式市場の取引時間内であればいつでも売買取引が可能な点です。取引の仕方は上場株式と同様であり、ETFの現物を売買する「現物取引」や、現金や株式を担保として証券会社に預け、その評価額の約3倍までの取引を行う「信用取引」等が可能です。取引の方法は上場株式と似ていますが、ETFも投資信託の一種ですので、投資信託の受益者(投資家)に対して分配金が支払われますが、商品価格に連動するタイプなど一部のETFは分配金が支払われないものがあります。

次に、ETFは他の投資信託と比較して、「運用管理費用(信託報酬)」が低くなっている点です。理由としては、
・一般の投資信託と異なり、運用管理費用のうち販売会社に支払う部分がない
・現物拠出型のETFであれば、自分で株式などの売買を行う必要がないため、売買にかかるコストが少ない
ためです。

一方、ETFのデメリットとして、運用上のリスクが挙げられます。ETFの値動きに影響を及ぼす主な変動要因として、次の3つがあります。
・価格変動リスク
組み入れた有価証券の価格等が変動することによってETFの価格が変動するリスクがあります。
・流動性リスク
市場の需給の変化によって、狙った価格で売買が成立しないリスクや、予想される価格よりも著しく離れた価格で売買取引が成立するリスクがあります。
・乖離するリスク
市場の急変や運用状況によっては、ETFの基準価額が株式市場の市場価格と連動せず、実際の値動きから乖離するリスクがあります。

J-REITの仕組みを教えてください。

J-REIT(J-リート:Japan Real Estate Investment Trust)は、多くの投資家から資金を集めて不動産等を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託です。J-REITは投資法人が母体となる「会社型」の投資信託の一種で、J-REITでは「不動産投資法人」が運用します。また、J-REITは原則として途中解約ができない「クローズドエンド型」の投資信託ですが、証券取引所に上場しているため、株式と同じように自由に売買が可能です。不動産投資法人は、オフィスビル、商業施設、賃貸マンション、物流拠点などさまざまな不動産に投資しています。

J-REITは、1960年にアメリカで生まれた、「REIT(Real Estate Investment Trust)」という不動産投資信託の仕組みが元になっています。2000 年に投資信託法が改正された結果、日本でもREITが解禁され、2001年9月には2銘柄が上場し、2020年12月現在では上場銘柄数は60を超え、市場規模(時価総額)は13兆円まで増えています。

J-REITを購入するメリットやデメリットを教えてください。

J-REITを購入するメリットは次の6つです。

・少額から投資できる
アパート・マンション経営のような実物不動産投資をはじめる場合、数千万円から数億円の元手が必要です。J-REITは1口1万円~数十万円ほどの価格で、小口での投資が可能です。販売会社によっては、1口100円で投資できる投資信託もあります。

・複数の不動産に分散投資できる
実物不動産投資と比べて、小口での投資が可能なため、複数の不動産に投資できます。そのため、分散投資効果が高く、リスクを抑えた投資が可能です。

・専門家が運用を行っている
実物不動産投資と違い、J-REITは不動産投資法人が運用を行います。専門家が不動産投資の判断や維持管理を行うため、自分自身で不動産投資を行う場合よりも、投資のハードルが下がります。

・換金性が高い
J-REITは原則として途中解約ができない「クローズドエンド型」の投資信託ですが、証券取引所に上場しているため、自由に売買可能です。換金性が高く、株式・債券と同じような感覚で取引できます。

・分配金が安定している
J-REITの主な収益源は不動産の賃料収入などです。賃料収入は株価と違い、通常は大きな値動きがありません。J-REITの分配金を通じて、安定した収益を得ることができます。
また、日本のJ-REITには税制優遇措置があり、投資信託の運用利益の90%超を投資家に分配した場合、法人税が実質的に免除されます。そのため、J-REITは投資家が分配金を得やすい仕組みになっています。

・為替差益が狙える
J-REITの投資対象は日本国内だけではありません。海外の不動産市場にも投資できます。また、海外の不動産に投資した場合はJ-REITの利回りだけでなく、為替取引による為替差益の上乗せも狙えます。

一方、他の投資信託と比べると、J-REITにはデメリットもあり、主に次の4つが考えられます。

・不動産市場が変化するリスク
賃貸市場や売買市場の下振れなど、不動産市場の変化によって、J-REITの投資対象の不動産の収益性が低下した場合、投資信託の基準価額や分配金に影響を与える可能性があります。

・金利が変動するリスク
不動産投資法人は、金融機関の借り入れにより、不動産の運用資金を調達している場合があります。将来的に金利が大きく変動した場合、不動産投資法人の運用成績にも影響を与える可能性があります。

・地震や火災で不動産がダメージを受けるリスク
投資対象の不動産が地震や火災に遭ってダメージを受け、収益性が低下し、基準価額や分配金に影響を与える可能性があります。

・不動産投資法人が倒産するリスク
J-REITの運用を行う不動産投資法人が倒産するリスクがあります。もし、不動産投資法人の倒産リスクが表面化した場合、投資信託の基準価額に影響を与える可能性があります。

その他にも価格変動リスク、為替リスク、上場廃止となるリスクなどもありますので注意をしましょう。

口座開設・購入・運用中の知識 口座開設・購入・運用中の知識

税金・手数料の知識 税金・手数料の知識

分配金・換金/償還の知識 分配金・換金/償還の知識

シチュエーション編

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