調査報告

一般向け首都圏・阪神圏調査結果【2014年(平成26年)調査結果の概要】

投資信託の認知状況

投資信託の認知状況は、「よく知っている」が2.9%、「大体は知っている」が21.6%であり、これらを合わせた“認知率”は24.5%となっている。「言葉だけは知っている」が68.4%と過半数を占め、「言葉も知らなかった」は7.1%と少ない。年代別にみると、年代が上がるほど“認知率”も上昇するが、20代では「言葉も知らなかった」と回答する人が22.8%いた。

認知状況

投資信託の保有状況

投資信託の保有率(=「現在持っている」)は9.6%、保有経験率(=「以前持っていたが現在は持っていない」)は6.1%。年代別では、保有率、保有経験率ともに年代が上がるにつれて高くなり、70歳以上では保有率が20%近い。

保有状況

投資信託の保有種類(現在保有層)・複数回答

現在保有層(投資信託を現在保有している層)での投資信託の保有種類は、「株式投資信託」が64.1%で最も高く、「外国で作られた投資信託」(37.2%)、「公社債投資信託」(31.0%)が同程度であり、「不動産投信」も22.8%みられる。
時系列でみると、「不動産投信」が平成25年にそれ以前の水準から倍増し、今回は平成25年と同程度を維持している。

保有種類

投資信託の優れていると感じる点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層にとって、投資信託が他の金融商品と比較して優れていると感じる点は、「専門知識がなくても投資ができる」(45.6%)と「定期的に分配金が受け取れる」(43.9%)が同程度で高い。次いで「比較的高い利回りが期待できる」(35.9%)、「少額でも分散投資ができる」(34.2%)、「少額でも株式投資の面白味がある」(32.9%)の3項目が同程度で並ぶ。

優れている点

投資信託の不満に感じる点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層が、投資信託について不満に感じる点は、「元本保証がない」(60.3%)が最も高く、以下「手数料が高い」(45.1%)、「運用実績がわかりにくい」(30.8%)、「公社債に比べて安心できない」(23.2%)の順に続く。

投資信託の不満に感じる点

投資信託購入の際の重視点/今後の重視点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層が、投資信託を購入する際の重視点は、「安全性の高さ」が51.9%で最も高く、次いで「値上がり期待」(36.3%)、「過去の運用実績」(29.5%)、「過去の分配金額」(23.6%)や「分配頻度の多さ」(20.3%)の順となっている。
今後重視したい点としては、「安全性の高さ」が55.7%で特に高い。第2位は「値上がり期待」(38.4%)、第3位は「過去の運用実績」(24.9%)である。購入時の重視点と比べると、「安全性の高さ」が3.8ポイント高いのに対し、「過去の運用実績」は4.6ポイント、「過去の分配金額」は8.0ポイント低い。


今後の重視点

分配金の特徴認知状況(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層の『分配金』についての特徴認知状況は、「運用成績によって変動する」(83.5%)が最も高い。「成績不良時には支払われない場合がある」(62.4%)や「決算ごとに支払われる」(48.9%)についてもほぼ半数以上が認知しているが、「支払われた額だけ基準価額が下がる」は31.2%にとどまる。
時系列でみると、「成績不良時には支払われない場合がある」の認知率は前回まで上昇していたが、今回は4.8ポイントとわずかながら低下している。また、「支払われた額だけ基準価額が下がる」は平成25年に12.2ポイント上昇し、今回も同程度となった。


分配金特徴

投資信託についてのイメージ・複数回答

投資信託に対するイメージとしては、「仕組みがわかりにくい」(39.7%)と「元本割れが怖い」(34.9%)が特に高く、これら2つが主なイメージとなっている。次いで「用語がわかりにくい」(21.0%)、「投資の上級者向けである」(10.3%)の順に続く。「わからない・特にない」も31.0%みられ、具体的なイメージができない人も多い。
性別では、女性の方が「仕組みがわかりにくい」が高い。
年代別では、若年層ほど「用語がわかりにくい」が高いのに加え、20代では「わからない・特にない」が半数近く(41.5%)を占める。若年層にはまず投資信託の基礎知識を浸透させることが重要といえる。なお、「投資の上級者向けである」は若年層ほどやや高いが、「投資の初心者向けである」は高年齢層ほどやや高いという、相反する傾向がみられる。

第3者への相談の有無

不動産投信への興味

不動産投信への興味については、保有率(=「現在保有している」)は2.4%、購入意向率(=「購入してみたい」)は1.6%である。「詳しく知らないのでわからない」が68.1%と大半を占め、「購入するつもりはない」(25.5%)を大きく上回っている。
性別では、保有率や購入意向率に大きな差はみられないが、男性は女性より「購入するつもりはない」が高く、女性は「詳しく知らないのでわからない」が高い。
年代別でみると、年代が上がるにつれて「購入するつもりはない」が高くなり、50代以上では30%台にのぼる。

投信イメージ

最近の景気等を踏まえた資産運用やリスクについての考え方・複数回答

最近の景気を踏まえた資産運用やリスクについての考え方としては、「リターンが少なくとも元本保証があるものを選びたい」が26.5%で最も高い。これ以外の意見への同意率は10%台以下と低く、「今が、株式や投資信託購入のチャンスだと思う」と考える人は3.0%のみである。また、「特にない・わからない」が59.8%を占め、明確な方針を持っている人は半数に満たない。
性別では、男性は「資産はいろいろな種類の金融商品に分散させたい」が女性より高く、女性は「特にない・わからない」が高い。
年代別では、「リターンが少なくとも元本保証があるものを選びたい」は40~50代は高いが、20~30代は低く、「資産はいろいろな種類の金融商品に分散させたい」も50代が最も高い。「特にない・わからない」は50代が最も低い谷型となっており、20代が70.5%で最も高い。つまり、50代は明確な方針を持っている人が多いが、若年層ほど方針を持っている人が少ないことがわかる。

検討きっかけ

NISAの認知状況

「少額投資非課税制度(NISA:ニーサ)」については、「名前も内容も知っている」が16.7%、「名前は知っているが、内容までは知らない」が44.1%であり、これらを合わせた“認知率”は60.8%と過半数を占める。
性別では、「名前も内容も知っている」比率は男性の方が高いが、“認知率”には大きな差はみられない。
年代別では、“認知率”は50代で74.1%と最も高く、この層を中心とした山型となっている。最も低いのは20代であるが、半数(48.7%)が“認知”している。また、「名前も内容も知っている」比率は50代以上では20~25%の同程度で並んでいる。

不動産投信への興味

「NISA口座」開設状況(NISA認知者)

「少額投資非課税制度(NISA:ニーサ)」の認知者に対し、「NISA口座」を開設しているか尋ねたところ、「開設している」=開設率は13.1%にとどまる。
「少額投資非課税制度(NISA:ニーサ)」の口座を開設している人が「NISA口座」で購入している金融商品は、「株式」が43.8%で最も高い。次いで「株式投資信託」が26.4%であるが、他の商品の購入率は10%に満たない。
「少額投資非課税制度(NISA:ニーサ)」の口座を開設していない人が「NISA口座」を開設していない理由は、「投資自体に関心がない」と「投資に回すお金がない」が同程度(順に34.5%、30.7%)で高く、「制度が複雑でよく理解できない」(15.9%)が続く。これら以外の理由は10%に満たない。なお、「特に理由はない」が28.1%みられる。

リスクなどについての考え方

統計データ/調査