調査報告

投資信託を含む金融商品関心層対象の全国調査結果【2012年(平成24年)調査結果の概要】

投資信託の保有状況

投資信託の保有率は38.5%。保有経験率は12.7%。年代別では、保有率、保有経験率ともに年代が上がるにつれて高くなり、60代、70歳以上では50%程度にのぼる。

投資信託の保有状況についてのアンケート結果

投資信託の保有種類(現在保有層)・複数回答

現在保有層(投資信託を現在保有している層)での投資信託の保有種類は、「株式投資信託」が65.4%で最も高く、「外国で作られた投資信託」(35.8%)、「公社債投資信託」(33.9%)が同程度で続いている。

投資信託の保有種類(投資信託を現在保有している層)についてのアンケート結果

投資信託の積立投資の利用(現在保有層)

現在保有層が投資信託の積立投資を利用している率は18.9%で、利用していない方が圧倒的に多い。
積立投資を利用している人の積立投資の形態としては、「確定拠出年金・財形貯蓄」が31.8%に対し、それ以外の「証券会社や銀行、投資信託会社の積立投資」が69.2%と高い。
性別では、女性は男性より「証券会社や銀行、投資信託会社の積立投資」が高く、「確定拠出年金・財形貯蓄」が低い傾向がみられる。

投資信託の積立投資の利用(現在保有層に対するアンケート結果)

投資信託の優れていると感じる点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層にとって、投資信託が他の金融商品と比較して優れていると感じる点は、「専門知識がなくても投資ができる」(55.4%)と「定期的に分配金が受け取れる」(49.6%)、「比較的高い利回りが期待できる」(42.8%)が上位を占めている。これに、「少額でも分散投資ができる」(30.6%)、「購入手続きが簡単である」(27.6%)などが続く。

投資信託の優れていると感じる点(現在保有層・保有経験層)についてのアンケート結果

投資信託の不満に感じる点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層が、投資信託について不満に感じる点は、「元本保証がない」(63.3%)が最も高く、以下「手数料が高い」(42.3%)、「運用実績がわかりにくい」(34.4%)、「公社債に比べて安心できない」(33.2%)の順に続く。

投資信託の不満に感じる点(現在保有層・保有経験層)についてのアンケート結果

投資信託購入の際の重視点/今後の重視点(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層が、投資信託を購入する際の重視点は、「安全性の高さ」(45.9%)が最も高く、次いで「値上がり期待」(40.3%)、「過去の運用実績」(31.4%)、「過去の分配金額」(27.3%)や「分配頻度の多さ」(21.8%)の順となっている。
今後重視したい点としては、「安全性の高さ」が59.9%で特に高い。第2位は「値上がり期待」(36.1%)、第3位は「過去の運用実績」(21.4%)で、第3位までの順位は購入時の重視点と変わらないものの、「安全性の高さ」は購入時の重視点より14.0ポイント高く、「過去の運用実績」は10.0ポイント低い。

投資信託購入の際の重視点/今後の重視点(現在保有層・保有経験層)についてのアンケート

分配金の特徴認知状況(現在保有層・保有経験層)・複数回答

現在保有層・保有経験層の『分配金』についての特徴認知状況は、「運用成績によって変動する」(88.3%)が最も高い。「成績不良時には支払われない場合がある」(68.2%)や「決算ごとに支払われる」(50.4%)についても半数以上が認知しているが、「支払われた額だけ基準価額が下がる」は30.2%にとどまる。
性別では、「運用成績によって変動する」を除く3項目の認知率はいずれも男性のほうが女性より高く、年代別では、「成績不良時には支払われない場合がある」の認知率は30代で最も高い。

分配金の特徴認知状況(現在保有層・保有経験層)についてのアンケート結果

運用報告書閲読状況(現在保有層・保有経験層)

現在保有層・保有経験層の運用報告書の閲読経験は、「全部読んだ」は4.0%と少ないながらも、「必要と思われる項目を読んだ」(50.7%)と合わせた”閲読経験率”は54.7%と半数ほど。
運用報告書閲読経験者の運用報告書の理解状況は、「よく理解できた」のは2.9%のみであるが、「まあまあ理解できた」(54.1%)と合わせた”理解層”は57.0%と過半数を占める。一方、「よくわからなかった」(40.5%)と「全くわからなかった」(1.7%)を合わせた”非理解層”も42.2%みられる。
運用報告書閲読未経験者の未読理由は、「内容が多すぎて読む気にならなかったので」(55.4%)が特に高く、「難しそうだったので」(20.9%)、「特に興味もなかったので」(11.8%)が続く。

運用報告書の閲読状況(現在保有層・保有経験層)についてのアンケート結果

投資信託の認知状況

投資信託の認知状況は、「よく知っている」が10.5%、「大体は知っている」が48.6%であり、これらを合わせた”認知率”は59.1%と過半数を占める。「言葉だけは知っている」は38.5%であり、「言葉も知らなかった」は1.2%にとどまる。

投資信託の認知状況についてのアンケート結果

今後購入対象として考えている金融商品・複数回答

今後貯蓄の対象として考えている金融商品は、「定期預金」(40.6%)、「普通預貯金」(37.7%)、「ゆうちょ銀行の定額貯金」(34.6%)、「株式」(31.1%)が上位を占める。「国債・公債・社債・転換社債」は16.4%、「国内の投資信託」は14.0%、「外貨預金」は10.2%であり、他の金融商品は10%に満たない。より安全性の高い商品が選択される一方、投資商品の中では株式が考えられていることがうかがえる。

今後購入対象として考えている金融商品についてのアンケート結果

投資信託についてのイメージ・複数回答

投資信託に対するイメージとしては、「元本割れが怖い」(54.2%)が最も高く、次いで「仕組みがわかりにくい」(43.8%)が高い。第3位以下は上位2項目に比べ低く、これら2つが主なイメージとなっている。第3位は「用語がわかりにくい」(24.1%)となっている。性別では、女性の方が「元本割れが怖い」、「用語がわかりにくい」が高く、年代別では、若年層ほど「仕組みがわかりにくい」、「用語がわかりにくい」が高くなっており、女性や若年層で、よりハードルが高くなっていることがうかがえる。

投資信託のイメージについてのアンケート結果

最近の景気等を踏まえた資産運用やリスクについての考え方

最近の景気を踏まえた資産運用やリスクについての考え方としては、「リターンが少なくとも元本保証があるものを選びたい」が44.3%で最も高い。次いで、「資産はいろいろな種類の金融商品に分散させたい」(31.7%)、「元本割れリスクのある商品の保有を減らしたい」(21.0%)と続く。「今が、株式や投資信託購入のチャンス」と考える人は15.4%のみ。

最近の景気等を踏まえた資産運用やリスクについての考え方についてのアンケート

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