将来に対する具体的なイメージが投資にも必要でしょう

スポーツジャーナリスト中西哲生氏

1969年愛知県生まれ。プロサッカー選手として、名古屋グランパスエイトを経て、川崎フロンターレへ。2000年末に現役を引退。現在はTBS「サンデーモーニング」、テレビ朝日「GET SPORTS」などの番組でコメンテーターを務めるほか、TOKYO FM「クロノス」でパーソナリティーを務める。

中西哲生氏


イメージを実現させるためには、何が重要なのでしょう。

単にイメージするだけではなく、口に出すことかもしれません。僕自身、実際にインタビューなどで自分のイメージを明確に話していて、それは記録としても残っているわけですからね。イメージを言葉にすれば、自分を奮い立たせることができますし、言い訳ができない状況に自分を追い込むことにもなります。よく「言霊」といいますが、そうした言葉の力を僕は信じているんです。

しかも、2030年のワールドカップの時に僕は60歳になっていますが、その時に監督として優勝するという、長期的なイメージまで持っています。短期、中期、長期でライフイメージを持ち、そこから逆算していま何をしなければいけないのかを考える。良いイメージを持ち、それを実際に言葉にし、具体化するために必要なことを計画的に行うということですね。

なるほど。自分のライフプランにもとづき、計画的に準備を進めるという点は投資にも通じる考え方かもしれませんね。

そうだと思います。ただ、自分自身についていえば、お金に関することが一番駄目な部分かもしれません。というのも、自分自身に投資するという意味で、これまでにずいぶんいろいろな物を買い続けてきましたから。それは先程のイメージを口に出すのと同じで、自分にプレッシャーをかけるという意味もあります。時には、もう少し貯めておけばよかったと思うこともありますが(笑)。

もっとも、そうして洋服などを買い続けてきたことで、ファッション誌に出させてもらったり、あるいは「中西哲生の買い物ワールドカップ」というコラムを12年間も続けられたりもしています。すべてがつながっているんですね。

まさに自分への投資が実を結んでいるということでしょう。買い物にしても無駄遣いではなく、投資にふさわしいものを選択しているわけですね。

そうかもしれません。特に食べ物に関しては妥協しないようにしています。やはりスポーツ選手ですから、自分の身体を構成することになる食べ物は吟味しなければいけないと思っています。

中西さんの場合は、どんな行動にも裏付けがあるようですね。

そうですね。例えば、自分が朝起きて、どういう順番で何をするかということもすべて決めていますし、そのパターンも100以上あります。

それというのも、選手時代から自分の調子が良かったときには、どういうウォーミングアップをしたのか、どういう食事をしたのかなど、その理由を考えてきたんです。それは今でも同様で、良かったことを続け、駄目だったものは捨てていく。永遠にその繰り返しです。それも将来に対する具体的なイメージがあるからできることで、効率よく行動するためには必要なんですね。

やはり目標を持つことが大切なわけですね。それは投資も同じですが、一方で特に若い人はそうしたイメージをなかなか持てないようです。

中西哲生氏

ただ、イメージはなくても、年金に対する不安は持っているのではないですか。高齢者を支える分母となるだけの若い人が現実にはいないわけで、これからもっと厳しくなると多くの若い人が考えているだろうし、自分で何とかしなければならないという感覚はあると思います。

だからこそ、お金について、もっと興味を持たなければいけないのでしょうね。銀行に預けておけば何%もの金利がつくような時代ではありませんから、やはり自分が取れるリスクの範囲で、効率の良い運用を考えることが必要なのでしょう。

先日、あるファイナンシャルプランナーの方とお仕事をご一緒したんですが、そうしたリスクを小さくする方法があることを教えてもらいました。例えば、株式を買う場合も1つの銘柄に集中させるのではなく、違う業種のものを組み合わせたり、あるいは債券を組み合わせたりすることでリスクは分散できるわけですね。

おっしゃる通りで、しかも投資信託であれば、そうした分散が最初からできています。もっとも、必要性は分かっていても、なかなか投資に踏み出せないという人は多いようです。

僕は旅行が好きなんですが、例えば航空会社の株を買っておけば、株主優待で安く航空券が買えたりしますよね。最初はそうしたことがきっかけでもいいのではないでしょうか。僕のように将来を事細かくイメージするのは、むしろ特殊なケースでしょうから(笑)。まずは投資信託などを実際に買って、逆にそれを契機にライフプランを考えてみる。先程のリスクを小さくする方法の中には、長期で投資するということもあるため、若いうちになるべく早く始めるのも重要ですね。長い期間をかけて少しずつ、一定額を買い続けると効果が出やすいという話も伺いました。

それにしても、中西さんのように常に考えて行動していると、時には疲れることがありませんか。

これもサッカーから学んだことですが、身体は動かせば疲れるけど、頭はいくら使っても疲れない。特に僕の場合は最初の20年ほどはほとんど使っていないので、まだ疲れていないのかもしれません(笑)。

(笑)本日はありがとうございました。


※2012年12月14日時点の内容となります。

※このインタビュー内容は、個人の発言に基づき構成されており、投資信託協会がその内容を必ずしも保証するものではありません。