会長挨拶

会長挨拶

 投資信託・投資法人に対する日頃のご理解とご支援に感謝いたします。

 おかげさまで、昨年には11月末現在、投資信託・投資法人の全体の残高が231.9兆円となり、公募投資信託の残高は121.5兆円となりました。これもひとえに投資信託・投資法人をご利用していただいている皆さまのおかげであると感謝申し上げます。

 しかしながら、日銀の資金循環統計によれば、昨年9月末現在、個人金融資産1863兆円のうち、現預金に985兆円と過半が滞留しており、「貯蓄から投資へ」、「貯蓄から資産形成へ」という流れは依然として道半ばであるのが実情です。

 一方で、老後の生活資金に対する関心、さらには資産形成についての意識も高まり、特に、昨年後半からは若い世代を中心に個人型確定拠出年金iDeCoや、つみたてNISAの口座数が急増するなど、変化の兆しも感じられる1年となりました。本年も引き続き、生活者の皆さまが、投資信託で長期・積立・分散投資をするための制度基盤の充実に取り組んでいきたいと思います。

 海外では、それぞれの国によって社会制度に違いがありますので一概には言えませんが、米国・豪州など投資信託大国の国々では、投資信託で長期・積立・分散投資をするための制度基盤が長年存在してきたことが、投資信託の普及の大きな要因です。わが国でも、近年、iDeCoや、つみたてNISAなど、良い制度を導入していただいております。協会としては、こうした制度を人生100年時代の皆さまの豊かな生活をご支援する社会制度インフラの一つとして、もっと皆さまに、ご活用いただけるよう、そして、更に改善できる点があれば、関係各位と協力して取り組んでまいります。

 また、近年では、スチュワードシップの考え方の下、環境・社会・ガバナンスを意味するESGの観点も含め、機関投資家と投資先企業との対話が深まりを増しております。 運用会社として、このような活動を通じて、持続的な社会の成長に更なる貢献を期待されており、協会としてもその取組みをさらに後押ししていく所存です。

 皆さまが資産形成のために投資信託という仕組みを活用して、投資していただいた大切なご資金が、金融市場・資本市場を通じて、経済の成長・社会の改善につながり、その成果が、投資家の皆さまに還元されるという仕組みを上手く形作ることこそ、金融業や資産運用業が果たすべき役割だと考えています。

 本年も、目の前にある課題を一つ一つ克服し、投資信託・投資法人制度の普及・拡大を通じて、皆さまの資産形成、さらには日本経済の成長、社会課題の解決に貢献できるよう、全力を尽くして参りたいと思います。どうぞ、ご支援の程、お願い申し上げます。

令和2年1月1日
一般社団法人 投資信託協会
会長 松谷博司