会長挨拶

会長挨拶

 投資信託・投資法人に対する日頃のご理解とご支援に感謝しております。

 おかげさまで、昨年には11月末現在、投資信託・投資法人の全体の残高が214.5兆円となり、公募投資信託の残高は112.5兆円となりました。これもひとえに投資をしていただいている皆さまのおかげであると感謝申し上げます。

 しかしながら、日銀の発表によれば、昨年9月末現在、個人金融資産1859兆円のうち、現預金に968兆円と過半が滞留しており、「貯蓄から投資へ」、「貯蓄から資産形成へ」という流れは道半ばであるのが実情です。

 わが国は人口減少という未曽有の社会状態がこれから深く進んでいきます。その中であっても、経済成長をもたらす大きな要素の一つが「資本」すなわち「成長マネー」の産業への供給です。

 米国における401k・IRA、オーストラリアにおけるスーパーアニュエーションなど、諸外国では税制優遇のついた長期・積立・分散投資を促す制度を通じ、個人の資金が継続的に証券市場に流れ込む仕組みが構築されています。その結果、資本市場参加が一般社会へ滲透し、経済の成長が促され、その成長が資本市場のリターンを通じて直接個人の資産の増加につながっています。具体的には、米国,豪州,日本の1人当たりの個人金融資産額は、1988年はそれぞれ5.7, 2.3, 5.0万米ドルであったものが、2017年は26.2, 15.7, 13.1万米ドルと大きな伸び率の差となり、特に日豪間では逆転しています。

 わが国において、今まだ活用されていない資金を、国内のみならず世界の成長分野に資本として供給していくことは、成長の果実を個人金融資産にもたらすだけではなく、産業の成長もますます促すことになります。そうしていくことが、より活力のある資金循環を生み、今後の日本経済の発展に寄与し、ひいては国民の厚生の増大をもたらしていくと考えています。

 一昨年の「iDeCo」の加入者範囲拡大、昨年の「つみたてNISA」の開始と、わが国においても法改正が進み、「貯蓄から資産形成」に大切な「長期・積立・分散」を税制面でも後押しする制度が実施されています。これらの制度などを通じて、多くの方々が投資信託に投資をし、それによって成長マネーの供給を担い、その方々に成長の果実がもたらされるような社会に進んでいくよう努めていきたいと考えています。

 また、国際的なトピックとしては、昨年は当協会と中国の証券投資基金業協会との間で相互協力覚書が締結され、本年にはオーストラリアとの間で「アジア地域ファンドパスポート」(ARFP)制度がスタートします。このように、資産運用業を取り巻く環境はグローバル化がますます進展していますが、資産運用業に携わる者が成長マネーの仲介者としての責任を今後も果たしていくためにも、またわが国の投資家の皆さまに良質な運用商品の提供に資するためにも、これからも資産運用業の発展に努めてまいります。

 本年も投資信託協会長として課題を一つ一つ克服し、投資信託・投資法人制度、資産運用業の発展を通じて、皆さんの資産形成および日本経済の成長のために全力を尽くす所存でございますので、何とぞ、ご支援、ご助言を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 平成31年1月1日

一般社団法人 投資信託協会
会長 岩崎俊博