会長挨拶

会長挨拶

 投資信託協会長に就任いたしました松谷博司でございます。日頃より投資信託・投資法人に対するご理解とご愛顧を賜りまして、深く感謝を申し上げます。

 まず、協会としての活動として、投資信託の普及について申し上げます。協会で毎年実施しているアンケート調査によりますと、「今まで投資信託を保有したことがない」という方が、77%いらっしゃいます。また、1,800兆円を超える日本の個人金融資産のうち、投資信託の残高はわずか3.9%を占めるに過ぎません。米国や豪州などの投資信託大国の例と比べると、時間はかかるかもしれませんが、将来、日本においても投資信託が個人金融資産の10%くらいを占めるようになれば、人生100年時代の皆様の豊かな生活をご支援する社会制度インフラの一つになるものと考えています。これが長期的で大きな目標だと考えています。

 そのための協会としての取り組みについて何点か申し上げます。まず、わかりやすい情報発信です。セミナ-などを通じて、とにかくわかりやすく、皆様が自分に振り返って具体的にイメ-ジができるような情報をお届けできるよう、デ-タなどを整備したいと思います。加えて、そもそも金融とは、投資とは何か、自分が暮らしている社会とどう繋がっているのかなど、多くの皆様のご理解が深まるような取り組みも実施して参りたいと思います。

 さらに、投資信託で長期・積立・分散投資をするための更なる制度基盤の充実にも取り組んでいきたいと思います。海外ではそれぞれの国によって社会制度に違いがありますので、一概には言えませんが、米国・豪州など投資信託大国の国々では、投資信託で長期・積立・分散投資をするための制度基盤が長年にわたって存在してきたことが、投資信託の普及の大きな要因です。日本でも近年、個人型確定拠出年金iDeCoや、つみたてNISAなど、良い制度を導入して頂いております。協会としては、こうした制度をもっと皆様に、ご活用いただけるよう、そして、更に改善できる点があれば、関係各位と協力して取り組んで参ります。

 また、運用会社が機関投資家として、企業との対話などを通して果たすべき役割についても協会として、その取組みを更に後押しして行きたいと考えています。近年では、スチュワードシップの考え方の下、機関投資家が投資先企業を規律付ける動きが定着し、市場・企業のガバナンス・健全性向上にも繋がり始めております。また、環境・社会・ガバナンスを意味するESGを投資プロセスに組み込むことにより、社会課題全体の解決にも貢献する動きがあります。
 皆さまが資産形成のために投資信託という仕組みを活用して、投資していただいた大切なご資金が、金融市場・資本市場を通じて、経済の成長・社会の改善につながり、その成果が、投資家の皆さまに還元されるという仕組みを上手く形作ることこそ、金融業や資産運用業が果たすべき役割だと考えています。

 資産運用業の高度化についての取り組みについては、会員である委託会社の業務運営の更なる効率化に向けて、例えば、ファンドの基準価額の二重計算や、ファンド併合が挙げられますが、それだけでなく、効率化や見える化に向けて、関係者の方々としっかり協議し、運用パフォーマンスの向上に寄与し、結果、投資家の皆さまのためになることができればと考えております。
 マネー・ロンダリング対応も重要課題です。投資対象である、発行体に係るリスクの分析・管理など、投資信託業界として対応すべきことを見極め、しっかり取り組んで参りたいと思います。
 金融テクノロジ-(フィンテック)の活用の推進や、協会の国際活動も、更に積極的に行いたいと思います。

 これらのことについても、最終受益者である生活者の皆さまにとってのメリットを最優先に考慮しつつ、優先順位付けを行い会員会社及び関係各位と協力して進めて参りたいと思います。

 最後になりますが、投資信託協会は、投資信託の健全な発展を図るという趣旨で、1957年に設立されました。62年を経た、この令和の時代においても、ますます重要になってきているものと考えております。
 会長として、はなはだ微力ではありますが、目の前にある課題を一つ一つ克服し、投資信託・投資法人制度の普及・拡大を通じて、皆様の資産形成、さらには日本経済の成長、社会課題の解決に貢献できるよう、全力を尽くして参りたいと思います。どうぞ、ご支援の程、お願い申し上げます。

令和元年7月
一般社団法人 投資信託協会
会長 松谷博司