No.18 (2002年08月21日発行) >>税金はかかるの
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投信協会メールマガジン No. 18 2002/8/21
発行:毎月第1・第3水曜日
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●--● CONTENTS ●--●
1. トピックス
◆ 金融庁<証券市場の改革促進プログラム>を公表
◆ 投資信託の市場動向(7月中)
2. 募集中ファンド
3. 投資信託入門
◆ 税金はかかるの?
4. カフェコーナー
◆「ETCとETF」
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1.トピックス
◆ 金融庁 <証券市場の改革促進プログラム>を公表 ◆
金融庁では、証券市場を幅広い投資家の参加する真に厚みのあるものとし、市
場機能を中核とした我が国金融システムの中心を担うものとしていくため、
「証券市場の改革促進プログラム」を取りまとめました。
これは、①誰もが投資しやすい市場の整備、②投資家の信頼が得られる市場の
確立、③効率的で競争力のある市場の構築、の3つの柱に沿って具体的な施策
を提示するものですが、投資信託については具体的に以下のような内容が盛り
込まれています。(一部抜粋)
●少額で堅実な証券投資の促進として、投資信託の周知・普及のためのイベン
トの開催など積極的な活動を要請する。
●顧客の期待に応える運用の確保として、運用結果に対する顧客への説明責任
の徹底も含め、運用体制のあり方について検討を要請する。
●分かりやすい投資信託の実現として、①投資信託の目論見書について、一層
分かりやすいものとするべく、改善を検討する。②投資信託の運用結果に係る
開示ルールの強化など、ディスクロージャーの一層の充実について検討するよ
う要請する。
●今次税制改正において、証券市場への投資家の積極的な参加を促すため、株
式関連商品の損益通算範囲、株式投信税制、配当課税、長期保有株式等に係る
譲渡益課税、公社債利子課税等について要望を行う。
なお、金融庁では公表したプログラムに対するご意見やご質問を受け付けてお
ります。詳しくは下記URLをご覧ください。
http://www.fsa.go.jp/public/public.html
◆ 投資信託の市場動向(7月中) ◆
(1)資産の動向……株式投信(6月に引き続き2ヶ月連続の減少)、公社債
投信ともに減少。
7月の設定状況を見ると、
●株式投信
2,917億円の資金増加(設定-解約)があった。これは5ヶ月連続の増加。
ただし市況がかんばしくなかったために純資産は減少している。
●公社債投信
設定、解約とも細り、純資産の減少が続いている。
●MMF
前月と比較し解約額が増加、これに伴い純資産は減少している。
<単位:億円>
設定 解約 純資産計(前月比)
1.株式投信 6,286 3,281 154,097(▲4,513)
2.公社債投信 19,564 27,634 163,025 (▲8,359)
3.MMF 3,037 5,054 60,148 (▲2,017)
合計1+2+3 28,888 35,970 377,271 (▲14,890)
(注1)解約には償還を含みます。
(注2)純資産計は前月純資産に当月の設定、解約の項目のほか運用増減が加味
されますので、本表では一致しません。
(2)運用状況
7月の運用状況を見ると、
株式投信における株式の組み入れ比率は、前月末と比較すると62.7%→
60.3%とやや低下、全体の公社債の組み入れ比率は52.3%→53.0%
とやや上昇した。
<単位:%>
株式 公社債 余資等※
1.株式投信 60.3 29.2 13.5
2.公社債投信 ― 74.8 25.7
3.MMF ― 54.8 46.9
合計1+2+3 24.6 53.0 24.1
※余資等とは預金、金銭信託、コール・ローン、割引手形、CD、CP等が
含まれます。
● 株式の売買状況(国内外合算) 256億円の買い越し。
(3)主体別残高状況
<単位:億円>
証券会社 銀行等 投信会社 合計
1.株式投信 107,977 43,262 2,857 154,097
2.公社債投信 146,951 14,017 2,056 163,025
3.MMF 41,127 16,957 2,064 60,148
合計1+2+3 296,056 74,237 6,978 377,271
(保有割合:%) (78.5) (19.7) (1.8) (100.0)
(4)マーケット指標
14年7月末 (前月比) 14年6月末 前年7月末
日経225 9,877 (▲744) 10,621 11,860
TOPIX 965 (▲59) 1,024 1,190
国債利回り 1.315 (0) 1.315 1.210
為替(1$) 120.10 (+0.6) 119.50 125.10
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2. 募集中ファンド
8月21日現在の新規設定ファンドについて、手数料、購入窓口等が一覧表に
なっています。
追加型については設定日が8月中のファンド、単位型については8月21日が
募集期間に含まれているファンドです。
詳しくは添付のファイルをご覧ください。
(fund02082.pdf)
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3.投資信託入門
◆ 税金はかかるの? ◆
投資信託には、従来からある契約型といわれる投資信託の種類に株式投資信託
と公社債投資信託があり、その他に新しいタイプの投資信託として、ETF
(株価指数連動型上場投信)や不動産投信があります。ここではそれぞれの種
類毎に<分配金受取時>、<解約・償還時>に分けて説明することにします。
★株式投資信託
<分配金>株式投資信託の期中収益分配金は「配当所得」として区分されます
が、利子所得と同様、20%(所得税15%、地方税5%)の一律分離課税で
課税関係が終了します。配当控除は適用されません。
なお、投資家の投資元本の払い戻し相当額として非課税扱いとなる「特別分配
金」もあります。特別分配金が支払われるのは、分配落ち後の基準価額がお客
様の個別元本と比較して低くなった場合、その差額分が特別分配金となります。
分配金を特別分配金として受取ると、その分「個別元本」が低く修正されます。
<解約>
解約請求による方法と買取請求による方法があります。
解約請求による場合、基準価額または基準価額から信託財産留保額を引いた額
から、個別元本超過額の20%を差し引いたものが手取額となります。
買取請求による場合、基準価額または基準価額から信託財産留保額を引いた額
から、税相当額(個別元本超過額の20%)を差し引いたものが手取額となり
ます。
なお、いずれの場合も、個別元本が基準価額を下回っていた場合については課
税されません。
<償還>
株式投資信託が償還したときは、元本超過額について分配金の受取時と同様、
一律20%の源泉分離課税となり、課税関係は終了します。
なお、個別元本を下回っていた場合については課税されません。
★公社債投資信託
<分配金>公社債投資信託の期中収益分配金は「利子所得」として区分され、
20%(所得税15%、地方税5%)の一律分離課税で課税関係が終了します。
<解約>株式投資信託と同様です。
<償還>株式投資信託と同様です。
★ETF
日経平均株価や東証株価指数といった株価指数に連動する投資信託で、証券取
引所に上場されています。分配金や売却益については、株式と同様な税制が適
用されます。
<分配金>年間10万円以下の場合、分配金の20%が源泉徴収されます。
なお、配当控除を受けたい場合は、総合課税を選択することもできます。
10万円超の場合は、総合課税となります。
<売却益>2002年12月末までは、
「源泉分離課税・・・売却代金×1.05%を徴収」か
「申告分離課税・・・確定申告が必要で、その際に利益の26%
(所得税20%、地方税6%)を徴収」を選択することができます。
※2003年1月からは申告分離課税のみになります。
★不動産投信
不動産投信は、投資家から集めた資金をオフィスビルや商業施設などの不
動産に投資し、その賃貸収入や売却益等を投資家に分配する仕組の投資信託で、
取引所に上場されています。分配金や売却益については、株式と同様の税制が
適用されます。
<分配金>株式と同様、一銘柄あたりの年間配当によって、それぞれ課税され
ます。また、不動産投信は配当控除の適用を受けることはできません。
少額配当(年間10万円以下)・・・20%の源泉徴収のみで確定申告は不要
中額配当(10万円超50万円未満)・・・配当受け取りの際に20%が源泉徴収さ
れ、その後確定申告の際に調整する方法、または、35%の源泉徴収+住民税は
総合課税のいずれかの方法を選択することができます。
高額配当(50万円以上)・・・配当受け取りの際に20%が源泉徴収され、その
後確定申告の際に調整されます。
<売却益>ETFと同様、源泉分離課税または申告分離課税が選択できます。
ETFと不動産投信については、株式と同様の各種優遇措置の適用が受けられ
ますので、詳しくはお取引先の証券会社等販売会社にお問い合わせください。
※その他、手数料等を支払う際には5%の消費税をご負担いただきます。
次回からは、ファンドの説明をしていきたいと思います。
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4. カフェコーナー
◆ ETCとETF ◆
ETCとETF よく似ているが全く異なるものである。前者は高速道路自動
料金収受システムであり、後者は市場連動型上場投資信託のことである。どち
らも国やその関係者が普及・拡大に努力しているわりに利用率が上がっていな
い点では似ている。
特にETCは高速道路利用者の2%程度だという。なぜ普及しないのか、自動
車ユーザーの大方の意見は器具の設置代金が高いからだという。確かに、たま
にしか乗らない高速道路のために取り付け費用が3万も4万もかかるのはこの
節約時にと思うのだろう。しかし、首都高速や近隣でも高速道路を使う機会の
ある者には極めて便利なものである。この6月に思い切って入れてみたが結果
には大いに満足している。まず、2割の料金割引があること(今申し込んでも
この恩典がついているかどうかは確認が必要)、お釣りが出ないよう小銭を用
意しておく必要が無いこと、料金が後払いであること、それになんと言っても
料金所での他車の渋滞を尻目にノン・ストップで通過できる気分はなんとも言
えない。
ある自動車評論家氏は、ETCの口座引き落としのカードを作らなければなら
ない面倒くささとか、料金所を出たら渋滞の現状に何のメリットも無いなどマ
イナス面ばかりを強調し反対しているのを雑誌で見た。現代人でカードを持た
ない人は稀だし、1枚ぐらい増えても何のことは無い。また、いつも渋滞して
いるわけでもない。むしろ、現金決済からカード決済は時代の方向だろう。こ
んな簡単なシステムを普及出来なくて何がIT国家か。それよりも、この制度
を促進させるための器具代金の引き下げや割引率の恒常化によって高いといわ
れる利用料金全体の適正化にこそ声を大にして主張すべきだろう。もっとも今
の利用者にとっては、空いているゲートがこのまま長く続いたほうがより快適
ではあるが。
ETFは昨2001年の夏から、これも政府の肝いりで導入された東証株価指
数などに連動して基準価額が動く仕組みで取引所に上場された新しい型の投信
である。個人投資家の株式市場への参加を容易にし、あわせて株式市場の活性
化を期待した商品であると言われているが、今のところ、資産規模は1.6兆
円程度で株式投信全体の10%程度と小さく、個人投資家の利用も思ったよう
に揚がっていない。
この投信には、株式と同じように、期限付きとはいえ、税率の軽減や損失が出
た場合翌3年間に亘って繰り越せたり、長く持った場合は利益の100万円特
別控除があったり、さらに本年中に購入し、3年後から2007年までに売却
した場合の売却益についての非課税(1,000万円まで)の税優遇措置まで
ついている。
それなのに、なぜ利用が少ないのか 投信そのものが個人にはまだ十分知られ
ていない、ましてやETFに至っては、あるいは、投信に力を入れ始めた銀行
などの金融機関が扱っていない といった理由が挙げられている。しかし、も
っと大きな理由は、株式市場がかつてのような魅力を失っているからである。
税制優遇があっても利益が見込める期待が持てなければ買う意味は無い。何事
もいくら回りの制度をいじってみても根本に欠陥や魅力がなければ発展はしな
い。今は根気良く待つことなのだろう。
ETCもETFもその持つ意義は大いに評価されるべきであろう。どちらもま
だ十分正しく理解されていないことも影響している。ただ両制度とも根本が解
決されていないと発展は望めないのかもしれない。ETCは安価な器具の出現
と料金体系の見直しや混雑緩和対策、ETFは経済の再生と株式市場の活性化
である。どちらも簡単ではなさそうであるが、ETFの活性化の方が早いよう
な気がするのは身贔屓(みびいき)かな。(T・U)
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